Scribble at 2026-08-09 12:10:12 Last modified: 2026-08-09 12:15:59

具体的にどことは言わないが、パソコンのハードウェアについて新製品の情報とか改造の体験記とかを掲載しているブログというのが幾つかあって、たとえば毎月のように数十万円のグラフィック・カードやモニターやパソコンを購入してレビューしていたりする。もちろん、ごく普通の若者どころか中年くらいの年齢であっても、そんな小遣いを使える人なんて限られているわけで、いったいどういう仕事をしているのか、あるいはどういう境遇の人物なのかという興味を持つ人はいることだと思う。

こういう、ソーシャル・メディアを使った SNS アカウントや YouTube チャネルやブログなどを利用するコンテンツは、サービスや商品の紹介に関わる内容、つまりあからさまに宣伝が目的であろうとステマであろうと商品の紹介をしている限り、その大半は昔で言う「マニア」のコンテンツではないと言ってよい。それは、弊社が広告代理店から受託して、実際に YouTube チャネルや SNS やブログを運営している「個人」の振りをして色々な商品やサービス、場合によっては特定の政党や思想をミスリードしたり印象操作する仕事にも携わってきているから、現に同じことをやっている側として知っていることだからだ。もちろん、他の人々が運営していると思われる個々のブログや YouTube チャネルについて、具体的に発注主がどこであるとか、どこが受託してやっているといった情報は分からない(ふつうは NDA を締結して利害関係を慎重に管理している、下請けの広告代理店やウェブ制作会社しか、こういう仕事は受注できないからだ。たとえば京都の有名なゲーム企業の案件などを受けるだけの実績と情報管理体制がある弊社のような会社しか受けられないわけである。なお株主が電通であるかどうかは、実は大して関係がない)。

ということなので、毎月のように高額なグラフィック・カードを購入しているといった表面的な事実だけで、たとえば「運営者」という個人を想定してはいけないわけである。特に SNS のアカウントなどというのは、いまではたいていウェブ制作会社や中小規模の広告代理店がチームを組んで運用しているので、運営者という個人を特定しようとしてツイートの内容から地域や気温や気象や交通状況や周辺の店とか会社の情報を推測して住所を割り出すなどという、いわゆる「鬼女」のような個人情報の特定作業には、おおむね意味がない。せいせい、アカウントの運営企業の所在地が分かるかどうかだろう。

また、特定の個人が運営していると思い込んでしまうと、それだけのお金を使える境遇とはどういうものかという勝手な妄想を始めてしまう人が出てくる。たとえば、文章からはどう見ても三十代以下なのに、毎月のように合計で100万円くらいの周辺機器を購入しているなんて、開業医、ホスト、FX 成金、資産家の息子、あるいは情報商材詐欺師、ヤクザ、ルフィの元締めではないのかといった憶測が出てくる。しかし、これは他のコンテンツなどウェブでのプレゼンス全般について言えることだが、ガチの大金持ちや良家の子息(逆に犯罪者もだが)というのは、簡単にウェブで自分の境遇や身分を明かしたりしない。もちろん、そんなことをすれば色々なリスクがあることが分かっているからだ。それに比べて、YouTube で何人のフォロワーができて広告収入があろうと、そもそも彼らにとっては小遣い銭にもならない金額だ。そんなことと引き換えに色々なリスクにさらされるなんて、彼らは子供の頃からそれが極め付きの愚行であることを叩き込まれている(それも、一種の「帝王学」だ)。

なので、ときどき報道されるような、脱税で捕まる主婦とか、FX でたまたま金持ちになったような人々という可能性はあるにしても、そんな人たちがソーシャル・メディアを運用するとは考えにくい。特に、FX をやるような人たちに、どれほど AI で自動化されているとは言え、そんなことをしている暇はないはずだからだ(AI を調整する作業は、AI を調整する AI の調整についてもだが、結局はヒトがやるしかない)。

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