Scribble at 2023-09-12 12:17:27 Last modified: 2023-09-12 12:44:05
僕が目を通したのは、これの前の版である「清水新書版」だから、1987年の出版である。上記は改訂版でもあり更に進んだ内容になっているだろうから、読了した本の一覧には「清水新書版」を紹介してあるが、こちらでは新装版のリンクを掲載しておく。
本書は、シルクロードと呼ばれている交易路が開拓される前後の時代を、漢の時代に生きた張騫という人物の経歴を軸に解説している。シルクロードの(現在では訂正を要する記述もあろうが、それは個別に記憶や理解を修正すればいい)基本的な知識を得るには手頃な本だろう。冒頭には、「シルク - ロード」という言葉が流行っているものの、数多く出版されている書籍の中には内容がズレているものもあるといった苦言が書かれていて、やや時代を感じさせる(実際、この本も現在では見かけない「シルク - ロード」という分割した表記になっている)。だが、シルクロードの本を何冊か読んでいくと、やはり現在でも中国の西域あたりをテーマにしているというだけで「シルクロード」という言葉をデタラメに使っている書籍や論説があったりする(特に、言うまでも無いが素人が書いている観光系のコタツ記事だ)。