2018年09月06日に初出の投稿

Last modified: 2018-09-06

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暗号・ゼロ知識証明・数論

買おうと思っていて長らく放置していた本を、ようやく買った。もともと洋書でも扱っている本が限られていたゼロ知識証明を、丁寧に解説している。そのため、専門に勉強している人々からの評価は高いのを知っていたのだが、手ごろな値段まで落ちるのを待っていたのだ。1,000 円を切ったのが分かったので注文した。

それにしても、「ゼロ知識証明」で Google 検索しても、まともな解説や学術論文がヒットするのは、せいぜい3ページくらいだ(90件ていど)。それ以降は素人のお勉強ページというか、つまりは上位の解説ページの引き写しか、他の入門書の引き写しが出てくるだけで、学術的には不毛と言っていい。

また、既に最初のページから検索結果に交じってどんとん出てくるのが、Zcash という暗号通貨の購入を勧めるアフィリエイトのページだ。そのページによれば、取引履歴が辿れなくなっている匿名性の高い暗号通貨であり、ゼロ知識証明が使われているという。匿名性が高いので、Tor などと同じく、いわゆる「ダークウェブ」での違法取引に重宝されているらしい。また、そういう連中も関わっているからかレートの動きも活発であり、小銭を抱えた投資家やチンピラどもが熱心にアフィリエイトのページやブログ記事を作っている。こんな暗号通貨ていどで社会が 1mm も良くなるわけがないのに、愚かにもほどがある。決済のコストが下がるということは、金融システムのコストが下がるということとイコールではない。そういう仕組みを維持するために、もちろんセキュリティ対策や莫大な数のサーバや人員が必要だからだ。また、何かと言えば decentralization だの自由だのとタワゴトを口にする子供も多いが、暗号通貨など絶対に自由でもなんでもない管理システムが必要なのであって、色々な暗号通貨に分散すると言っても、その分散したお気に入りの暗号通貨が「通貨として」認められなければ、そんなものはモノポリーのオモチャ紙幣と同じである。つまり、このような暗号通貨を買おうとか通貨として使おうとか決済手段として採用しようと囃し立てている連中というのは、そういうキャンペーンに従う人々によって、暗号通貨としてのステータスを維持できるのであり、そういう点ではねずみ講と仕組みは同じである。

もちろん、使い続ける人がいなければ「円」だって通貨として成立しない。国家は国の経済や金融システムで通貨としての価値を保証するものと見做されるが、暗号通貨の取引所はそんな保証などできはしない。

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