Scribble at 2024-08-25 10:12:52 Last modified: 2024-08-25 10:57:17

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This is an implementation of PaperWM-like scrollable window management for Sway/i3wm. If you like Sway/i3wm’s commitments to stability, avoiding scope creep etc. but dislike the window management model, papersway might be of interest.

papersway

ご承知のように、僕は2000年代の初期に Windows 用の GUI シェルであるエクスプローラ(Explorer)の互換シェルを使っていて、代表的なものとしては LiteStep とか geoShell とか IceSphere とかがあるけれど、そういうものを紹介するサイトを運営していた。いまでも「LiteStep 0.24.8 リリースノート」という文書は記念に公開しているし、海外で関連情報をせっせと調べていた demigod 氏の XSWeekly というサイトも、コンテンツを丸ごと僕が引き取って公開している。なので、GUI について関心はあったし、もちろん今でもデザイナーとして設計したり実装しているわけであって、関心を持たずにはいられない。

でも、上のようなページで紹介されているアイデアって、僕は昔からいまいちピンと来ないんだよね。そのアイデアは、デモの動画を観てもらわないと分からないと思うのだが、簡単に言えば Windows PowerToys がサポートする「FancyZones」のような機能の話だ。つまり、複数のウインドウを同じサイズで左右に並べたり、右側に上下でウィンドウを更に小さく並べたりするというわけである。これ、もちろん Windows でも昔からこういう機能を提供するツールが出てるわけだけど、僕はぜんぜん理解できないんだよね。

これは連れ合いからも変な癖のように言われることがあるのだが、僕はどれだけ強力なマシンで大きなモニターを使っていようと、必ずウィンドウは一つだけ表示している。仕事であろうとなかろうと、複数のアプリケーションを同時に起動して何かするときは、ウィンドウを決して並べずに、タスクをいちいち Alt + Tab で切り替えているのだ。ということなので、スクリーン上で複数のウィンドウを並べて使うという状況が、僕には使い辛いというか慣れないのである。

ということで、僕の話はいい。ともかく、そういうことなので、上で紹介している "Papersway" というものは、最初に見たときは画面上でウィンドウの切り替えを「ページめくり」のように表示する skeuomorphic なツールなのかと思ったら、そういう意味ではないらしい。そして、そういう意味ではなく、いま僕が違和感を覚えると説明したようなウィンドウを分割して並べるツールであるなら、まぁ紹介はするけど僕は絶対に使わないだろうなと思う。ああ、いや、仮に skeuomorphic なページめくりのツールだったとしても使わないな。そもそも、僕は skeuomorphic というコンセプトそのものがおかしいと思ってるからだ。参照するべき物質的なレバーとかが、そもそも物質的な器具として最善であれば参照するべきかもしれないが、単に最善でもベターでもない物理的な器具を操作性や見た目だけ真似るなんてのは、はっきり言えば UX としてもユーザビリティとしてもアクセシビリティとしても正当化できない、単なるデザイナーの遊びにすぎないからだ。「ウェブの」デザイナーを職業人として名乗るのであれば、ウェブ・コンテンツの UI としてベターなものを考えてみるべきであろう。できないかやる必要を感じないなら、ヘンテコな UI をクズみたいな JavaScript + CSS で実装するなんて真似は、凡人のくせにやめたほうがいい。われわれデザイナーの真似事などせずに、さっさとブラウザがディフォールトで表示する出来合いの UI で仕事を続けるべきだ。

なんでウィンドウを並べるツールというか、そういう状況でパソコンを使わないのかというと、まず簡単な理由として、どのウインドウにフォーカスが当たっているのかわからないからだ。僕は高校時代にタイプライターを使い始めた頃にタイピングを練習して、すぐにブラインド・タッチするようになったから、パソコンで作業しているときにタイトル・バーなんて殆ど見ない。ウィンドウの上部なんて殆ど見る必要がないのだ。なので、Windows だろうと他の OS だろうと、ウィンドウにフォーカスが当たっているかどうかはタイトル・バーで判断することが多いので、そういう無駄な視線移動を求められる UI は使いたくない。僕の思考や作業の妨げになるのだ。かといって、タイトル・バーではない他の箇所でフォーカスの移動を表示するようなツールを更に入れたりするような輪をかけた無駄をしてまでウインドウを並べる効用がわからない。どのみちフォーカスを移動させるために、ウィンドウを並べていようと重ねていようと Alt + Tab は使うのだから、同じではないか。しかも重ねていると全てのウィンドウを最大の大きさで使えるわけで、そちらの利点の方が僕には重要だ。なんで、そんなウィンドウをご丁寧に同じ大きさで画面に並べて使うとか、IT エンジニアがタロット・カードの占い師みたいなことをしなきゃいけないのか。

あともうひとつ、実際に Alt + Tab で切り替えていて気付いた他の理由として、この Alt + Tab という操作で親指(Alt)と人差し指(Tab)を叩く指どうしの位置関係が、ウィンドウを重ねた場合の前後という位置関係を、皮肉なことだが skeuomorphic に反映していると感じる。Alt + Tab で切り替える操作が、何枚かの書類を重ねている状況にあって、1枚ずつ指でページをめくっているような感触があるのではないか。なので、Alt + Tab という前後に思える操作で左右のフォーカスを切り替えるという結果に違和感をもつのかもしれない。

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