Scribble at 2021-06-15 11:29:09 Last modified: 2021-06-15 15:19:07
RedHat 系の Linux ディストリビューションは、ともかく色々と紆余曲折があって、いまでは Fedora, CentOS, CentOS Stream, そして RedHat Enterprise Linux (RHEL) という大きなカテゴリーに分かれていて、いっときは CentOS から Scientific Linux というマイナーなディストリビューションへ切り替えた事例もあったようだ。しかし、いまではディストリビューションの一つである Amazon Linux の利用も増えているため、必ずしも既存のディストリビューションだけ知っていればいいというものでもない。
現在は VPS やレンタル・サーバで2019年にリリースされた CentOS 8 を利用する事例が多く、あいかわらず分厚いだけの入門書が幾つかの出版社から出ているようだ。しかし、既にご承知のとおり CentOS 8.x 系統は今年いっぱいでサポートが終了する。正直、僕が業務で利用している SAKURA のクラウドでは CentOS 7.x 系統から CentOS 8.x 系統に移行してサーバを組むようになったばかりなので、SAKURA のクラウドでも今年いっぱいで CentOS 8.x はパッチが当たらなくなるらしく、やや困惑している。ただ、クラウドの「アーカイブ(OS の ISO イメージ)」としては CentOS 7.x シリーズも依然として選択できる。これは、ややこしいが CentOS 7.x のサポートは2024年まで続くからだ。つまり、後からリリースされた CentOS 8.x のサポートが先に終了してしまうのである。
さて、そうは言っても CentOS 7.x にしたって3年後にはサポートが終了する。そういうわけで CentOS から他へ移行するという上記のようなセミナーの話題が持ち上がるわけだ。CentOS Stream という選択肢もあるにはあるが、このディストリビューションは開発版という位置づけであり、Fedora ほど「先進的なコード」を組み込んではいないが、RedHat Enterprise Linux を商業ベースの安定版とすると、CentOS Stream は CI のサイクルで出力されるテスト・パイロット版の RHEL という位置づけだ。ただし、プロパーによると高度に安定しているらしい。
となると、なんで上記のように Oracle Linux を選択肢にするという「クロージング・トーク」に付き合わされなくてはいけないのか。そんなもん、総務省のピコピコ大好き官僚か、基幹系プロジェクト専門の財布の中身なんて知りません的な IT アーキテクトたちに話せよって気がする。SAKURA のクラウドでインスタンスの運用を続ける僕としては、もちろんメインの対応 OS を Linux から FreeBSD (UNIX) に戻すだけだが、最近は上場企業や大企業のクライアントに「さくら嫌い」が多いため、AWS の Amazon Linux も選択肢になる。