Scribble at 2023-09-12 21:53:54 Last modified: 2023-09-12 22:56:08

添付画像

本川達雄『ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学』(中公新書、1992)

何冊かの本で、この本を引き合いに出す人が何人かいたりするのだけれど、本書の内容は僕には説得力のある議論には思えなかった。はっきり言って期待外れもいいところである。

本書をざっと通読するだけでも、この本って殆ど生き物にとっての時間の話をしていないんだよね、実は。時間というよりも期間とか所要日数の話しかしてないのだ。「~に要する時間」とか「~する時間」を計測して、それと体表面積だとか食事の量だとかの相関を考えているだけだ。すると、時間に比例して増減する長さの議論をしているのだから、単純に線形で比例しているわけでもなければ何か別の関数で表す他になくなるというものだ。

で、やはり期待外れと感じた最大の理由は、そういう規則性がどうしてあるのかという推察が不足しているということである。これでは、あんなこともあればこんなこともあるよという、日本の社会学者とやってることは同じだ。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook