Scribble at 2020-12-06 10:25:46 Last modified: 2020-12-06 10:30:52

「こうした現状を見ると、アイデアが偶然に生まれる可能性が低くなり、人々の考え方も狭めることにつながる。そんなふうに思えてなりません。今日、ネットは現実世界になくてはならないものになっているが、民主主義の健全性という点でいえば憂慮すべきだと思います」

SNSが日本の政治に与える無視できない影響

なんでいつまでたっても日本の社会科学者はまともな調査や議論をしてないのか不思議なんだけど、実際のところウェブなりオンラインのサービスって、世論の形成とか誘導とか政策に何らかの影響を及ぼしてるって証拠があるのかな。それが従来の井戸端会議を超えるものでないなら、しょせん影響もその程度では? また、上記のような「警告」を発する記事というのは、それこそ2ちゃんねるがマスコミの話題になった15年以上も前から山のように書かれてて、やれ日本は右傾化しただのと大発見のように言ってる馬鹿がいるわけだけど、もともと我々すべてのヒトに現状維持バイアスという認知的な傾向があって保守的となるのは、社会なり集団を維持するために必要なことであり、いわば自然現象なわけだよ。上記はドイツに住んでるジャーナリストとやらで、何の学識がある人なのかは知らないけれど、とにかくこの手の人々は勉強不足だし調査不足だし考察不足だし、学部で法社会学や法律学を修めたていどに過ぎない僕から見ても、社会科学としてまともなレベルに達していないと思うね。日本の大多数の社会学や政治学のプロパーも含めてだけど。

そもそも、この手の「取材」とか「調査」をする人たちって、どれくらいの投資をしてるんだろうって思う。SNS なり「オンラインサービスの影響」なんて簡単に言ったり書いたりするけれど、こういうことを正確で、それなりに普遍的な事実として議論するには、彼らが憂慮するくらいの大規模で大量の(それこそプライバシーを侵害しかねないほど大規模で詳細な)データが必要になるかもしれないわけだよ。しかし、たいていの無能な社会学者(「社会科学者」と言い換えてもいい)は、ネットで自分が見聞きする範囲のことだけでネットを語ろうとする。しかも、それを正当化するために使っているのは、たいてい他人が開発したりデータを集めて《疑似世論》として提供している検索エンジンだったりするから傑作というほかにない循環論法だ。馬鹿なのかな。

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