Scribble at 2022-05-15 19:53:54 Last modified: 2022-05-16 11:31:16

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イエール大学 成田悠輔 助教授(@narita_yusuke)

「僕たちは感染リスクを抑えるために生きているわけではない」

https://twitter.com/hst_tvasahi/status/1525118098935754753

日本の不勉強なマスコミ関係者にとっては新鮮な感覚なんだろうけど、要するにひろゆきとかホリエモンと同じであって、この人は〈ただのリバタリアン〉だよ。アメリカでは水牛と同じくらい、ポピュラーな人々だ。

この手の意見は、感染リスクを抑えるために「も」生きているのが、社会人であり法治国家の人間であるという、ごく単純な事実を軽視しようとする子供の理屈にすぎない。彼らの教祖であるアイン・ランドと同じく、いい歳をして中学のヤンキーと思考回路が同じなのだ。しかし、イエール大学だろうとハーヴァード大学だろうと、この手の大学で学んだり教員をやってる人々というのは、例外的に貧民街から「アメリカン・ドリーム」で成り上がったマスコミ受けの良い人物もいるにはいるが、上流階級に生まれ育って特定の価値観や人生経験というエコー・チェインバーでしか生きていなかった人が大半であることもアメリカの現実である。この成田という人物は、東大からアメリカの大学院という経歴だけなら上流家庭のお坊ちゃんという印象を受けるかもしれないが、実際には逆の経路でリバタリアンになった、ホリエモンや橋下徹と同じパターンである。そして、こういう成り上がりも、皮肉なことに上流階級の人々と同じく、何とかリベンジャーズみたいな非行少年の発想を「新鮮な感覚」などと持て囃して妄信してしまう。気の毒なことだ。

この手の単純な人間というのは、対策 vs. 放任、つまりは完勝か完敗かという短絡的な思考に陥っているので、マスクの着用を押し進めたことも深刻な蔓延を防いだ条件の一つに数えられてよいという結果が出ているにも関わらず、「自由の制限」という自分の大好きなお勉強のジャンルでは悪と見做される価値観に抵触するというだけで、それを叩き潰そうというわけだ。このような、「アカデミック・テロリスト」と呼ぶべきクズも、もちろん ivy league にいるのがアメリカの私立大学にある寛容の精神なのだが、逆に言えば他人のやってることなんて知ったことかという話でもある。範としていいかどうかは、もちろん自明ではない。

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