Scribble at 2022-05-16 09:53:36 Last modified: unmodified

添付画像

To Do を使えば、仕事から遊びまで集中できます。

Microsoft To Do

タスク管理という用途のソフトウェアやウェブ・アプリケーションが成立したのは、project management のコンポーネントであるとか、あるいは bug tracker や cvs のようなプログラムでサポートされている機能まで含めたら、それこそ何十年も前からということになるだろう(*)。

なんにせよ、いまのところ僕はプライベートでも仕事でも Microsoft To Do を使っている。いちばん古い「完了済み」のタスク(「日本科学哲学会の学界費を納付」)が2019年8月1日なので、もう3年近く使っている。もちろん、他にも幾つかの同種ソフトウェアや同種サービスを試していたのだが、Microsoft To Do のシンプルな機能や使い勝手が最も優れていたと思う。それにしても、MS-IME にしても他の IME にしても、いつになったら文章中で正しく「つかいかって」で「使い勝手」と変換してくれるようになるのだろうか(単独でタイプしたら変換できるのは知ってる。前後の文脈を、いつになったら正しく理解できるのかという話だ)。

しかし、他にも色々とあるだろうし、Microsoft To Do(略し方を知らないので、本当は面倒臭くて "MTD" とかタイプしたくなる誘惑はあるのだが、そこは耐えている)を使い始めてからも後続のアプリケーションやオンライン・サービスとして優れたものが出ているかもしれない。なにせ、これと決めて何かを使い始めると、alternatives を並行して物色する機会は減ってしまう。しかし、やはり決めて使い始めたものでも、長らく使っているうちに改善の余地を覚えるところが出てくるものだ。Microsoft To Do については、いまのところ次のような諸点の改善なり修正を望んでいる。

第一は、プラットフォームごとの使い勝手に、慣れや趣味の範囲では収まらないような好ましくない違いがあることだ。Microsoft To Do はウェブ・アプリケーション(ブラウザでアクセス)、デスクトップ・アプリケーション、そしてスマートフォンのアプリケーションという三つのプラットフォームで使える。そして、新しいタスクを追加するためのフォームは、ウェブ版だとタスクのリストで最上位にあり、デスクトップ版だと最下位にあり、そしてスマートフォン版だと右手の親指でタップしてフォームを開くように、スクリーンの右下にボタンがある。それぞれのヴァージョンで扱いを覚えるのは造作もないことだし、或る意味ではアフォーダンスに適う〈しかけ〉として UI が設計されているとも推察できるが、せめてウェブ版とデスクトップ版とでは位置を最上位か最下位に固定してもらいたい。あるいは、最上位がいいか最下位がいいかは、恐らくリストのアイテムを ascendant(昇順)で並べるか descendant(降順)で並べるかによっても都合が変わる可能性があるため、設定項目としてユーザが選べるようになっていると良い。スマートフォン版にしても、せめてボタンを右手の親指でタップしやすい位置だけではなく、左手の親指でもタップしやすい位置に変えられるよう望む。これは、何も右利きとか左利きというだけのダイバーシティという話に限らないからだ。僕はクロスドミナンス(矯正右利き)で、文字を書くのは右手だが、右手で文字を書くからこそスマートフォンの画面を参照しながら何かを書くときは、もちろんスマートフォンを左手に持っている。そして、昨今は音声入力ができるため、左手でアプリケーションを起動してボタンをタップして操作することもある。つまり、右利きだからといって、なんでも右手で操作するというわけではないのだ。

第二に、これは飽くまでも趣味の範囲の話になるが、各リストに設定できる背景色や背景画像(テーマ)がプラットフォームによって反映されたりされなかったりする見た目の違いが大きいということだ。そういう点で最も〈ショボい〉のはウェブ版で、いまのところリストの背景色を4つの中からしか選べない。すると、そこで選んだ選択が他のプラットフォームでは再現されるのかしないのかが予測し辛いため、リストの種別を背景色でも分けているのだが、最も選べる種類の多いスマートフォンかデスクトップ版だけで指定しており、ウェブ版は色がどうなっていようと無視している。それに、スマートフォンとデスクトップでは、単色の「テーマ」を選ぶにあたって、色がグラデーション(デスクトップ版)なのかマット(スマートフォン版)なのかという微妙な違いもある。

そして第三に、これは改善をやや強く期待したいのだが、「完了済み」のタスクが並べ替えできないのは困る。現在は昇順だが、これも並び替え方を変更できるようにしてもらいたい(**)。そして、まだ完了していないタスクのリストとは分離して並び替え方を設定できることが望ましい。

他にも、タスクの「期限日」を指定するにあたって、具体的な日付とか「今日」のような相対的な指定方法だけではなく、仕事で使うユーザを想定しているなら「月末」とか「当該月の最終の平日」という指定方法を選べるようにしてもらいたい。

==========

* そのあたりは「サイバー考古学」に関心のある人が調べるのだろう。ただし、本来の考古学と同じく、その意味で「有益な」資料というものは日を追うごとに消失していく。実際、JavaScript の発祥について調べていたときも、当時の資料なんて大半が私企業の内部資料であるから開示される筈もないし所在も当事者以外にわからない。加えて、最大級の当事者である Brendan Eich がオリジナルのソース・コードを持っていないのだから、そういう点での証拠は既に存在していないと言ってよい。

** 古いものがいちばん上。先日の「縮尺」という言葉について書いたのと同じく、僕はいまだに、なんでこれが「昇」という漢字、つまり意味を当ててあるのか、感覚を理解しかねる。古いものから下へ新しく順番を追っているのだから、これは意味としては「時代が下る」という言葉があるとおり未来や現時点に向かって「下っている」わけで、意味からすれば「降順」と呼ぶべきだろう。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook