2022年05月10日に初出の投稿

Last modified: 2022-05-10

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La Casa Museo di Giovanni Verga

さきごろまで短編集を読んでいたジョヴァンニ・ヴェルガという作家は、さすがに19世紀の(イタリアでは)有名な人物として、住まいが博物館として残されているらしい。そのサイトを見ていたのだが、なんとも愚かなページ・デザインだ。上記の画像でわかると思うが、ブラウザの画面で上から 1/4 くらいがスタイルシートの position:fixed で固定されたヘッダ、そして下から 1/3 以上が固定されたフッタになっている。フッタは、ページを下へスクロールすると数秒後に自動で出現するという仕掛けだ。したがって、本文を読もうにも、ブラウザの高さにして残りが半分もなくなる。まるで薄目を開いて遠方を眺めている斥候の兵士になったかのような視野を強要される。

これは、横に長いパソコンのブラウザで表示確認すれば馬鹿でも気づく「デザイン犯罪」と言ってもいい愚かな結果なのだから、このページをデザインした人間は、上下にこれだけ内容と関係のない UI 要素が覆いかぶさっても苦にならない環境、つまり縦に長いスマートフォンや、portfolio(縦置き)でタブレットの画面を見ていただけの人間なのだろう。要するに素人ということだ。昨今は、WordPress のテンプレートから自動でページのレイアウトを出力するツールに至るまで、素人が簡単に見た目だけは整ったページを吐き出せてしまう。そして、プロダクト・デザインという観点では牛乳パックからレーシング・カーに至るまで、プロと呼ばれる人間なら誰でもわきまえているはずの色々な常識を無視する。これも、標準的な UA で表示を確認するという、ウェブ・コンテンツに関してデザイナーを名乗っている人間なら中学生でも心得ている筈の常識を知らない者の仕事であろう。

最初は、フッタとして競りあがってきたところを見て、Newsletter への登録を促す広告かと思った。こういう理由で本文を塞ぐように別のコンテンツが表示される手法は、もちろんあまり褒められたものでもないが、大手のニューズ・サイトやオンライン・ジャーナルのサイトでもよくあることだ。なので、どこかページの余白をクリックしたり、あるいは数秒ほど放置すれば勝手に引き下がってくれるものと思ったのだが、どうやら違うらしい。そして、多くのユーザは、僕らのようなプロのデザイナーであっても、ユーザとしてそういう UX 的な期待が裏切られると、やはり頭に来る。

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