2022年05月10日に初出の投稿

Last modified: 2022-05-10

コンピュータ・ゲームの熱心なファンであればご存じだと思うが、"Berlin Interpretation" という話題がある。これは、1980年に UNIX でプレイする初期のコンピュータ・ゲームとして開発された「ローグ(Rogue)」というダンジョン探索のゲームがもつ特徴を「定義」しようとして、2008年の9月にベルリンで開催された "International Roguelike Development Conference 2008" という会議で議論された内容がもとになっている。ただし、「定義」が成功しているかどうかはコンセンサスがなく、各人で異なる定義を提案している状況なので、あくまでも個々の定義は「解釈(interpretation)」として扱われたり呼ばれているようだ。(Slash, "What is a Traditional Roguelike" (2018): https://blog.roguetemple.com/what-is-a-traditional-roguelike/)

僕も、『ローグ』と似た特徴をもつゲーム(roguelike game)を何度もプレイしてきた。おそらく、最も長く熱心にプレイしたのは SFC 版の『不思議のダンジョン2 風来のシレン』(1995)である。そして Berlin Interpretation のような議論を眺めていると興味深いのは、結局のところそういう議論が何のために必要なのか、誰も知らないという不思議な点にある。もちろん、what is roguelike がどういう意味でか正確に定義できたからといって、更にどういう意味でか不明な「良い」ゲームや「正しい」ゲームが設計できるわけでもない。roguelike でないからといってゲームとして駄作だと言いうる根拠もなければ、roguelike の解釈を全て満たすからといって優れたゲームだとも限らない。すると、roguelike を定義する意義や効用は何なのか・・・僕にとっては roguelike の「定義」どころか、これが最大の疑問なのだが、これに答えようとする人はまずいない。マニアとはそういうものだからだ。そして、常に自意識しか頭にないオタク(譲歩して「悪い意味での」と限定してもいいが)とは違って、僕がマニアを健全だと思うのは、こういう(或る意味ではクレイジーな)無頓着さにある。

まぁ、感心はするけれど尊敬はしないがね。

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