Scribble at 2020-10-17 09:18:08 Last modified: unmodified

p値とは何かを中心に統計について多少漫画チックな部分も交えつつ解説するいい本なんだけれど、著者名が全然出てないのね、これ。表紙はてっぺん部分の原題の下に薄くあるだけ。背表紙はノーメンション、奥付にすらヴィッカーズの名前が出てこないって、あまりにひどくないですか。ぼくはこの監訳者の著書だと思っていて、中がなんだか翻訳チックなのにびっくりして、よくよく見れば翻訳書ですか。

ヴィッカーズ『p値とは何か』:原著はよさげなのに翻訳劣悪、さらに著者名が表紙/背表紙/奥付に書いてないってひどすぎ。

翻訳家として山形さんが指摘するのは分かる。そして、本書は丸善の翻訳事業として出版されたものだと冒頭に書かれているのだが、丸善という企業の事業というのが意味不明だ。丸善の出版事業部署は、そもそも翻訳書の出版を事業の一つとしているのではないのか。こんな自明の事実をわざわざ翻訳書の冒頭で宣言する意味が分からない。そして、それならなおさら監訳者などの名前を控えめに扱うべきではなかろうか。かようにして、もう当サイトでは運営を始めたころから書いていることだが、出版社で働く人々の能力なり見識なり素養というのは、得意としている分野の蘊蓄についてはともかく、エディターなり出版人としては強い疑問を感じずにはいられないレベルになってきている気がする。

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