2022年11月24日に初出の投稿

Last modified: 2022-11-24

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国税庁によりますとことし6月までの1年間に全国の国税局が多額の資産や収入があるいわゆる富裕層を対象に行った税務調査は2227件で、合わせて839億円の申告漏れを指摘したということです。

これは前年より70%余り増え、現在の方法で統計を取り始めた平成21年以降、最も多く、追徴税額はこれまでで2番目に多い238億円でした。

“富裕層”の申告漏れ 839億円指摘 平成21年以降で最多 国税局

よく、富裕層の税率を上げるよりも、彼らにもっと稼いでもらって納税してもらう方が財政として楽になるという計算をする人がいるんだよね。仮に税率を60%として単純計算すると、所得が1億円の人から6,000万円を納税してもらうよりも、税率を30%にして彼らに3億円を稼いでもらえば、納税額は9,000万円になるじゃないかという理屈だ。でも、このイカサマ議論には幾つもの無根拠な思い込みだとか現実を無視した楽天主義がある。第一に、税率を引き下げただけで人がたくさん稼ぐようになるという根拠のない理屈がある。第二に、税率が何パーセントであろうと富裕層の大半は上記の記事が報じているように、「節税対策」と称する脱税をやってるということだ。たくさん稼ぐと、恐らくは節税に貢献してくれる人々に払うギャラも増えるので、もっとうまくやってくれる可能性も高くなるだろうから、実質の収入が増えたからといって申告してくる金額が増えるとは限らないのだ。

もちろん、上記の記事では申告漏れと追徴課税額を報じているだけなので、こうした富裕層が実際にどれだけの収入を得ていたのかは分からない。また、最初の段落のように反論できるからといって、金持ちからどんどん取ればいいなんていう日本共産党みたいな子供の理屈が通用するとは思えない。公平に考えてみて納税額の基準というものは、官僚が妄想する平均的な世帯の収入額でもなければ、貧困層やホームレスの生活費でもないし、田舎の大農家や芸能人や FX 成金の遊び金や資産でもなかろう。寧ろ、それら全てを考慮してバランスを考える必要があるからこそ、為政者や立法者(それこそ英語で "policymakers" と呼ばれるのだから)には広い見識が求められる。陳情にやってくる「ロビーイスト」と称するゴロツキどもの意見を聞いているだけで物事を決めたり想定してはいけないのだ。いわゆる「哲人国家」とはそういう意味なのであって、思弁や妄想で政策を考えるなどという意味で「哲学」と言っているわけではないのである。

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