Scribble at 2021-12-01 10:58:51 Last modified: 2021-12-01 11:00:35

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WinAMP を使い続けて、もう20年近くになるだろうか。この WinAMP でコア開発者を勤めていた Lone Runnr (Francis Gastellu) という人物こそ、僕らが長らく Windows 用の「互換シェル(shell replacement)」で代表的なプログラムとして愛用してきた LiteStep のオリジナル開発者でもあった。これは後から知った話ではあるけれど、メディア・プレイヤーから Windows 用のグラフィカルなシェルまで、色々と作っている人々の成果を間近に眺めることで、プログラミングなりプログラミング言語の無味乾燥で抽象的・形式的な理解こそが広い応用力の基礎になるものだと実感したものだった。人間味のなさこそが、逆説的にコンピューティングの力を最大限に引き出す扱い方なのである(もちろんだが、その引き出し方の一つは軍事や犯罪やテロ活動にもなる)。

ともあれ、WinAMP を使い始めてからというもの、スキンによる外形のカスタマイズという楽しみ方だけではなく、安定した挙動や音質についても長らく問題なしに使えるだけのパフォーマンスを維持していた、称賛されるだけのことはあるソフトウェアだ。しかし、開発元の Nullsoft から AOL に母体が移行して、5.8 のベータ版が世に出てから全く更新されずに、もう8年くらいが経過している。そのあいだ、5.8 のフル・インストーラを新しい Windows に入れ直す作業を繰り返してきて、もちろん挙動には何の問題もないわけだが、今後も使い続けられるものかどうか心配にはなる。もちろん、やろうと思えば古い Windows をゲスト OS として取り込める KVM などを使って動作させることはできると思うが、そこまでするほどのことかどうかは分からない。実際、既に音楽プレイヤーとしてデスクトップ・マシンは使っていない。とりあえず、新しい Windows を使い始めるときに実験動物のごとく WinAMP をインストールしているだけで、さほど使っているとは言えない。寧ろ、MP3 ファイルのタグやカバー写真を編集して、スマートフォンに転送して、スマートフォンのアプリケーションで音楽を聴いている。実際、そういう人が今や多いだろう。スマートフォンでは、かなり前に紹介したが Poweramp という音楽プレイヤーの有料版を使っている。動作が非常に安定していて、機種変更しても挙動に問題がなく機能も十分だ。

さきごろ使い始めた Windows 11 でも WinAMP に替わるような音楽プレイヤーを探してみたのだが、意外と良さそうなものが見当たらない。かろうじて AIMP (aimp.ru) というロシアのプレイヤーがしっかり動いて使い勝手も標準的なレベルにはあるため、これを Surface Pro に入れている。ただ、タブレットとして使うとさまざまな UI 要素へのアクセスが指では難しい。しかし、それは WinAMP でも同じことだ。WinAMP はタブレットでの運用を全く考慮していない UI であり、それどころかマウスでの標準的なインターフェイスですら、クリックできるボタンなどの要素がかなり小さくて困惑させられることがある。最近の Windows では UI のサイズを 200% などと変更できるが、これはあくまでも UI の倍率表示に対応して開発されているソフトウェアでしか意味がない。

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