2019年10月16日に初出の投稿

Last modified: 2019-10-16

台風19号の被害にあった地区でインタビューしている様子を観ていると、「こんなことが二度と起きないように『していただきたい』」というコメントをしている人がいるのだけれど、いったい誰に向かって言っているのか不明だし、そんなこと無理に決まっている。

まず、そういうコメントが「天」に向けられたものであれ、国土交通省に向けられたものであれ、そもそも台風が発生して日本へ到達しないようにすることなどできない。特殊なミサイルを撃ち込んで台風を消すとか進路を変えるファンタジーを語る生半可の素人は世界中にハエと同じくらいいるし、実際に科学者も終戦直後の昭和20年から「台風制御」という議論をしているが、核兵器並みの巨大なエネルギーが必要であること、制御した結果に経路上の複数の国が巻き込まれるため国際政治的に実験すら難しいこと、そして台風も日本の国土に水をもたらす原因の一つには違いないという理由から、台風の制御については実験どころか是非の議論も難しい。

そして、歴史に学ぶ知恵を本気で尊ぶのであれば、河川や海や急峻な崖の近くに家を建てること自体が自殺行為であるという当たり前の事実を重視し、そういうところに家を持たざるをえない境遇の人をどうサポートするかという議論に移行しなくてはならないだろう。つまり、これは自然環境の議論ではなく、社会政策によって解決するべきことなのだ。

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