Scribble at 2019-10-16 13:09:58 Last modified: 2022-09-29 14:23:42
Firefox の WebSocket inspector を紹介する記事を読んでいて、そういえば WebSocket というのがあったと思い出した。これも話題としては10年くらい前からあるのだが、ブラウザのサポートやサーバ側の安定したプラットフォームが整っていないと効果を発揮しない(双方向の通信規格だから)し、最も大きな障害はこれを活用する JavaScript のコーダが殆どサーバの知識をもっていなかったという事情による。したがって、「フルスタック」と呼ばれる、フロント・エンドのコーディングやプログラミングとバック・エンドのサーバ構築やプログラミングとを担う人材が増えてきたことによって、ようやく何人も雇わずに実装できるようになったのだろう。
上記の本は4年前の発行だが、オライリーの概説書と同じ頃に出ていて、最も新しい概説書の一冊だ。つまり、この4年ほどは特に新しい本が出ていないし、出す必要もないと考えた方がいいのかもしれない。WebSocket はライブラリや実装ではなく通信規格なので、規格の設計に脆弱性やバグがない限りは、あとはアプリケーション設計や実装の問題でしかないからだ。そういう意味では大きな変更もなく使われているのだし、規格としては安定していると言ってよいと思う。なお、この本はプロの技術者なら第一章は読まなくてもいい。第二章から、request / response, polling, long-polling と WebSocket との比較を眺めて、WebSocket の全二重通信に対応する強力な仕様を理解すれば十分だろう。上記の画像は、第二章で紹介されている簡単な WebSocket 通信をテストするコードだ。