Scribble at 2023-03-07 10:16:42 Last modified: 2023-03-07 10:17:00

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筏義人『表面の科学』(産業図書、1990)

まず書いておくと、僕はこの本に書かれている内容を半分も理解できない。単に専門用語を知らないというだけではなく、どうしてそういう説明になるのかという化学の素養が不足しているからだ。でも、本書は「ここは登っておこう」と思わせるような名山の一つだという印象も得た。200ページほどの概説書だが、恐らく無機化学や生化学の専門課程を出ていないと、何が書いてあるのかぜんぜん理解できないと思う。しかし、各所に置かれた化学者の評伝も興味深いし、界面という話題が関わる色々な分野が紹介され、それらの分野での応用が解説されていて、分からないなりに興味を覚える。そして、僕にとっては分からないままではいけないなという予感、いわゆる、NFC (need for cognition) のような心理に訴える内容となっている。

1990年の出版というから、もう30年くらい前の書籍だが、新しい分野で物色すると興味深い本が出ていることが分かる。そして、得てしてそういう本が大して読まれもせずに図書館で開架から書庫送りとなり、やがて除籍されてしまう。学術研究者にそういう本を救う責任はないので、やはりこういうことはアマチュアができる範囲でやっておいた方がいいのだろう。

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