Scribble at 2020-09-21 08:30:30 Last modified: 2020-09-23 09:26:04

「タップ──平和をめざす翻訳者たち」(TUP: Translators United for Peace)は、米英らのイラク侵攻直後の 2003年3月に誕生しました。タップでは、(外国語で書かれた)重要で多様な情報を機動性をもって邦訳して広く提供することで、日本の市民から政治とメディアにまでインパクトを与え、戦争のない平和な世界の実現に貢献することを目的としています。

タップ──平和をめざす翻訳者たち

たびたび名前も忘れてしまうのだが、ポール・クルーグマンの論説を無断で翻訳している、侘び寂び系の日本語を使った名称のサイトを、僕は公に何度も非難している。どれほど公的かつ公共の目的なり崇高な(言葉による)理念が示されていようと、他人の著作物を無断で翻訳し転載することは著作権法違反の違法行為である。正義のためだと喚きながら、政治家や企業の経営者や芸能人を公の場で殺傷するようなゴロツキと何の変りもない行動であろう。

そして、何を掲げていようと上記のサイトも色々な報道サイトから無断で記事やエッセイを翻訳・転載していることに変わりはない。よって、冒頭で言及した二文字のサイト(道草だか白菜だったか、そんな名前)と同じく、非難に値すると思う。上に引用した(この引用は不法ではなかろう)文章では「機動性をもって」翻訳すると述べているが、要するに即座に伝えないことには何かに間に合わない、それでは遅すぎるので、承諾を得たり翻訳権を買い取るといった合法的な手続きなどやっていられないというわけだ。しかし、日本語しか読めない人間に海外の事情を即座に伝えないと何らかの国際的な規模や水準での影響力を行使できないというなら、そのように日本語しか読めない日本人とは日本の有力な政治家か巨大企業の経営者か著名な物書きであろう。しかし、そういう人々が(マネージャか秘書でもいいが)こういうサイトを見ているのだろうか。

もし、そういう有力者でなくとも誰かが読んで何かをしてくれると期待しているなら、このサイトの運営者が読者として想定しているのは Twitter で噴き上がるような連中のことなのか、それとも文章を読んだとたんにアメリカや中東へ旅立って傭兵になったり、あるいは義勇軍とかオンラインの Anonymous みたいな集団に参加するような人間なのだろうか。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook