Scribble at 2022-11-08 08:13:01 Last modified: 2022-11-08 08:14:56

「いらすとや」のイラストって、もちろん僕も社内文書とか研修用の動画では使わせてもらっているので、非常にありがたいものではある。けれど、こういう無償で使える(無償で使えるからといって著作権フリーという意味ではないので、「みふねたかし」という人物が描いたイラストを自分で描いたかのように販売することはできない)素材というのは、やはり見識として私企業の内部資料や生徒がクラブ活動の発表用とかに使うのが節度というものであろうよ。公共の掲示物や行政文書、それから私企業でも広告に(いらすとやのイラストであることをネタにする=フィーチャーする場合はともかく)使うのはどうかと思うんだよね。

もう既に何年も前から、海外の人々は日本に訪れて交渉事やらカンファレンスに参加する機会があると、この手の同じようなテイストのイラストがプレゼン資料に使われている事例が多々あることに気づいていて、Twitter でもしばしばネタにされているようだ。

或る人物がツイートしていたように、アニメや寿司よりもいらすとやのイラストを使っているということが日本という国をよく表しているとも言いうる。それはつまり、生産手段を社会がコントロールするという意味での社会主義国であるということだ。ただし、日本においては「社会」と言っても中国やソビエトなどとは違って、一部の官僚や政治家や軍人が事実上は独占していましたという自称やイカサマではなく、「空気」や「世間」といった実体のない何かによって国民が自ら喜んで(あるいは演歌的なメンタリティの刹那主義や厭世主義によって)支配されるという、これまた特殊な社会主義である。とりわけ欧米の人々からすると、やはり日本はいまだに西洋文化の表面的なユーザにすぎないという印象を受ける事例なのではあるまいか。日本を正確に体現しているのは、やはり宮崎アニメではなくいらすとやなのかもしれない。

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