Scribble at 2021-10-18 09:52:57 Last modified: unmodified

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朗らかに、清く正しく美しく…。歌劇を中心とする小林一三の企業戦略は、たんなる経営の視点をこえた文化運動でもあった。共存共栄の理念による「宝塚戦略」をいま一度ふり返り、現代に生かした力作。

津金沢聡広『宝塚戦略―小林一三の生活文化論』(講談社、1991)

ディズニーランドや宝塚という娯楽産業の成功事例について、その文化や経営を論じた本は多い。僕も、前職で宝塚の公式サイトを制作している会社に数ヶ月ほど在籍して、ウェブサイトの運営に関する(或る意味では「まともな」と言える)厳しい方針とか、コンテンツ制作の仕様について知る機会があった。そういう事情もあって、本書と、それから川崎賢子『宝塚というユートピア』(岩波書店、2005)を所有していて、このたび経営やマネジメントに関連して目を通してみた。ただ、手短に言うと川崎氏の新書は文化論という視点での記述が大半を占めているため、マネジメントあるいは事業経営については得るものが殆どなかった。よって、津金沢氏の新書を飛ばし読みしたにとどまる。ただ、『宝塚戦略』にしても記述の多くは時勢との関わりとして、おおよそ人文地理学や歴史学という観点からのものであり、企業経営とかマネジメントについては殆ど得るものがなかった。宝塚歌劇団の創成や小林一三の評伝を特に知りたいのであれば、恐らくはもっと他にしっかり詳細まで解説されている単行本があろう。

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