Scribble at 2023-09-12 10:47:40 Last modified: unmodified
別件で知ったのだが、兵庫県洲本市(淡路島の中)は、例の「ふるさと納税」の寄付額の3割という基準を超える返礼品を採用していたということで、「ふるさと納税」制度の対象から除外されたという。担当者一人に全ての裁量権があったという異様な実情も第三者委員会の報告書で指摘されているが、とにもかくにも温泉の利用券というイージーな返礼品をデタラメに発行したせいで、市の債務が8億円に膨れ上がったという。
そもそも「ふるさと納税」制度は返礼品が目当ての成金が小遣い銭を「納税」と称して使ってるだけなのに税金が控除されるという、はっきり言って逆進的な制度だ(金持ちだけが得をする)。しかも、返礼品を用意するための税金は現地の納税者が負担しているのだから、東京でアホみたいなコマーシャルを眺めて何万円かを「納税」する上場企業のサラリーマンへの返礼品を購入するために、山形や島根といった不毛な土地に暮らす人々が納税しているというのだから、こんな馬鹿げた制度はない。しかも、原則として返礼品は地元の事業者から調達するという形式主義をかいくぐる業者がたくさんあって、実際には単なるブローカーが中国やベトナムで作られたものを「地産地消」と称して自治体に売りつけていたりする。
そもそも、地方自治体が事業者のために返礼品と称して生産物を購入するのは、他の生業で暮らしている人々にしてみれば「優遇」であり、自由主義の経済国家において許されることなのかという問題もあろう。僕はリバタリアンではないけれど、こういう制度は、いくら日本が事実上の社会主義国家(しかも、人類史上で最も成功した社会主義国家とすら言っていい)だからといっても、これはやりすぎだろうと思う。