Scribble at 2022-04-12 15:15:25 Last modified: 2022-04-12 15:32:27

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Google Maps の 3D 画像として眺めた、Cleveland Heights というオハイオ州の住宅地だ。日本人の家をアメリカ人は「犬小屋」だの何のと昔から揶揄してきたようだが、アメリカでも大して事情は変わらない。それもそのはずで、日本にわざわざやってくるアメリカ人なんて暇や金に余裕がある、それこそ〈アメリカの犬小屋には住んでない階級の人間〉だからなのだ。貴族が奴隷の家を「犬小屋」と呼ぶのは、ほとんど自然法則と言ってもいい機械的で疑いを差し挟む余地のないロボット反応であり、おそらくロボットと同じく悪意などなかろう(そして、それゆえ差別や階級制度は強力なのである。自分が気づいてもいない無自覚なことをひとりでに改められる生物や組織など存在しない)。

余談はともあれ、なんでここを見ていたかというと、分子生物学を専攻する学生なら一度は聞いたことがあると思うが(そして勉強熱心なら高校生でも知っているだろう)、Cleveland Heights という場所は、親から子へと形質を遺伝させる遺伝子の物質的な実体が DNA という分子であることを突き止めた、Hershey-Chase Experiments として知られる1952年の実験を行ったマーサ・チェイス(Martha Chase)が生まれたところだからである。なお、彼女が2003年に75歳で亡くなったのも Cleveland Heights から 40km ほど西へ行った Lorain というところだった。既に指摘されているように、この実験を行ったもう一人のアルフレッド・ハーシーはノベール賞を受けていて「微生物学界の聖人」とまで言う人がいる一方、マーサは正式な研究職に安定して就くこともなく健康を害して、研究者としてのキャリアを十数年で終えてしまっており、これも DNA の構造決定に関して栄誉を受けられなかったロザリンド・フランクリンという有名な事例と同じく性差別の一例だろう。

ちなみに、こういうことを書いてるからといって STAP 細胞なんてないからな。

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