Scribble at 2020-08-23 18:25:31 Last modified: unmodified

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College Notebook (MS Add. 4000)

350年ほど前にニュートンが使っていたノートだそうな。こういうものがちゃんと残っていることに驚くが、それだけではなく、僕らはニュートンのこうした大量のメモやノートを手にしていながら、まだまだ精密な評伝を手にしていないという実情にも改めて気づかされる。一口に古典だ過去の偉人だとは言っても、果たしてどれくらいのことを知っているのだろうか。

こういうことからも言えるとおり、古典の解釈で飯を食っている人間でありながら「全体像」などと軽口を叩くような人物の研究成果は、およそ眉に唾をつけて眺めるべきであろう。敢えて言えば、われわれはおよそ他人どころか自分自身についてすら、十分には理解していないし、原理的にも十全に理解できない可能性が高い。よって、或る人物について言えたり考えられることを exhaustive に集約するがごとき「全体像」なるものを研究の目標として据えるような思考には、なんらかの重大な欠陥や思い込みがあると言わざるをえない。そして、これはポモが「テクスト」などという言葉でおちょくる必要などなく、厳格な思考から出てくるまともな指摘だと僕は思っている。

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