Scribble at 2020-12-16 12:13:41 Last modified: 2020-12-16 12:16:46

歴史的な経緯とか地政学的な優劣など関係なしに地域や場所の名前を設定できないものかと思う。もちろん地名から過去の地理的な条件を推定できることもあるので、或る名前が付いているという事実は記録に値するのだが、それは記録を正確に残しておけば済む話でしかない。現在は埋め立てられて住宅地になっている場所の地名が「大川」であり、昔は大きな川があったということは歴史を知るには良い手がかりとなる場合も多いのだが、現状で川などなくなった場所に「大川」という名前を使い続ける正当性はないし、そもそも川があったからこそ付いていた地名であるという、言葉と実情の関連性を無視することこそ、言葉の役割に対する冒涜というものだ。

よって、複数の国で揉めている地名なども、下らない紛争のネタとして各国の政府が安物のナショナリストどものご機嫌をとって外交をこじらせるような、逆に国益を損なうことを避けるには、歴史的な経緯とか地政学的な優劣と関係のない語句で再定義することが望まれる。

一例として「日本海(Japan Sea)」と呼ばれている領域をとると、これが国際的に周知されている名称であるとしても、明らかに「日本の海」という意味の言葉を使うのは傲慢もいいところで、同じ海域を領土としてもつ他国にも失礼な話であることは明白だし、外交上の紛争を引き起こす原因になりうることは誰でも想像がつく。そして、まったく同じ理由で、韓国側の主張する「東海(East Sea)」という名称も不適切で却下するべきだと思う。もし、この問題に新しく北朝鮮やロシアが介入してきて、北朝鮮は「決起海」にしろとか、ロシアは「ウラジオストク海」にしろとか言ってきたら、それこそ事態がややこしくなるだけだ。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook