2022年07月09日に初出の投稿

Last modified: 2022-07-10

マスク氏は、買収契約に含まれる条件として、Twitterのすべてのデータを求めてきた。これはスパムアカウントや偽アカウントに対する評価を行うためとされていたが、マスク氏側は「Twitterは女王を提供しなかったり、拒否したりした」としており、契約違反のため、買収合意を撤回することになった。

イーロン・マスク氏がTwitter買収を撤回

「女王」ってなんだよと言いたいところだが、「情報」のタイポであることは明白だし、単純に AP 通信などからのコピペでものを書いてるわけではないということがわかるので、それはそれでよしとしよう。

些事はともあれ、Twitter Inc. の役員側が法廷闘争に持ち込もうとしているのは、傍目からすれば奇妙に映る。買収を最初は拒んでいたし、乗っ取られるのをマスク氏の側から手放したわけなので、あくまでも Twitter Inc. がテスラと合併させようとしているのは何故なのかと訝しげにもなろう。正直、僕は今回の買収が不首尾に終わってよかったと思っている。その理由として、マスク氏が Twitter をこれからどうするのか、こんな風に語っていたからだ。

"I also want to make Twitter better than ever by enhancing the product with new features, making the algorithms open source to increase trust, defeating the spam bots, and authenticating all humans."

オープンソースだの信頼だのスパムを撃退するだのと Twitter でたむろしてるコーディング小僧や三流ジャーナリストに聞こえのいいことは言っているが、最後の "authenticating all humans" は聞き捨てならない。仮に "all" が Twitter に登録しているユーザのことだと控えめに理解したとしても、認証するということは、それに要するだけの本人確認の情報を個々のユーザに要求するということだ。もちろん、メールアドレスだけでは不十分であって、恐らく電話番号の登録を必須にしたり色々な情報を求められるかもしれない。よって、利用規約の改定によっては「複垢」が禁止される可能性もあり、実質的に Facebook のような実名で使う SNS と変わらなくなる可能性もあろう。

なので、Twitter Inc. の取締役会がマスクによる合併を法的に求めてゆくという方針には首肯しがたい。要するに Twitter Inc. 側がマスクの結論に反対しているのは、偽アカウントが 5% 以上あった(あるいは本当のところ分からない)という彼の結論を認めると、これまで株主に開示してきた数字が嘘だったという話になり、株主からの巨大な訴訟とか当局からの処罰という巨大なペナルティを課せられる恐れがあるからだろう。Twitter の運用がどうという話はぜんぜん関係がないところを理由にして争うわけだ。

だからこそ、株価だけで事業の運営を決めているような連中にしか経営を任せられない上場企業とか株式の公開なんて、必ずしもその会社とか事業にとって最善とは限らないのである。

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