Scribble at 2023-02-12 16:05:01 Last modified: 2023-02-13 09:11:07

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『日本の古本屋』というサイトでは、まず古書の調べ物をしている。そして、過去に一度だけ小関清明氏の論説が掲載された『和歌文学研究』という雑誌のバックナンバーを購入したことがある。でも、それいらい全く注文はしていない。その決定的な理由は、上のスクリーン・ショットで分かるかもしれないが、ここは書籍の本体代金だけで注文させようとするからだ。前回の『和歌文学研究』を購入したときは、注文の確定画面で送料が180円と表示されていたから注文したけれど、何の表示もない画面で送料がいくらになるのかも分からないのに、誰が注文なんて確定するだろうか。アマゾンでは、古本の本体代金が500円でも送料が20万円なんていう詐欺業者がたくさんいる。こういうサイトに登録しているのだから、そこまで酷い事業者はいないとしても、発送の手間も含めて違和感を覚える送料を上乗せする業者がいないとも限らない。とにかく、送料が分からないというのは非常に不信感を覚える。

『日本の古本屋』のヘルプでは、確かに標準的な送料の説明はある。でも、個々の送料については書店ごとに尋ねるしかない。なので、もちろん目当ての本が見つかって是非とも手に入れたいなら照会すればいいのだが、なんで利用者がそんな手間をかけなくてはいけないのか。当たり前だが、大半の利用者は注文を確定する画面で驚き、そのうちの何割かは注文をやめてしまうだろう。これは、商売としては致命的な機会喪失である。考えてもみれば、昔から古本屋のステレオタイプというのは、こういう大名商売というか「売ってやる」的なところが拭えないもので、これはいまどき通用しない。既に古本なんてアマゾンのセドラー(もったいない本舗のような大手から個人事業主まで)が大半の流通を牛耳っていて、実店舗の古書店は続々と閉店しているのが現実である。せっかく運営しているサイトで深刻な問題を放置することは、そのような状況を自分たちで後押しするようなものだ。

ということで、理容科学研究所、中央高等理容学校というところが発行した『理容刃物工学』(1965)という本を見つけて今日はあるのだが、どうにも注文し難い。振り込みにすれば、注文した返信として古本屋から送料が通知されるという話のようだが、そこで初めて正式に注文するかどうかを決めるということのようだ。ああ面倒臭い。これでは注文する人がいないのは当然だ。以前も古書店の店主から話を聞いて書いたことだが、ここに掲載している古書のデータは頻繁に更新してはおらず、既に店頭で売れてしまった本の情報も残っていたりすることが多いという。なので、そういう事例に何度かあってサイトを信用しなくなって利用しなくなったお客さんも多いと聞いた。アマゾンやヤフオクだと「アマゾン専用在庫」といった専用の在庫品として確保している事例もあるが、一般の古書店でそんな redundant な在庫をかかえていては管理コストだけで倒産してしまう。

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