Scribble at 2020-09-11 19:45:58 Last modified: 2020-09-13 12:53:00

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仕事で高槻へ行ってきた。前回の訪問では、初めて高槻駅に降り立つということで目的地の北側出口から見た駅前の様子を写真に収めたのだが、今回は南側の様子を撮影した。北には阪急があって、南には松坂屋がある。そして、前回は待ち合わせの時刻まで阪急の中にある紀伊國屋書店を覗いたのだが、今回も早めに到着して、今度は松坂屋のジュンク堂へ入ってみた。なんでも8月にオープンしたばかりらしく、いかにも紀伊國屋書店に対抗している。置いてある本の数も多い。どちらの書店にも置いてあるような新刊の文庫本や雑誌を買うならともかく、駅の反対側まで行くのが面倒ではなく、ぶらりと物色して回るのであれば、どう考えても数の多い方へ行くのが有益だろう。数が少なくても行く意味があるのは、特別に集めている分野の本だけは充実しているとか、あるいは店員の選び方が絶妙であるという実績があるときだけであるが、たいていの大型書店で開催しているフェアというのは時流に乗った通俗本や売れ残りの高額な専門書を並べているだけであり、僕は相当な範囲のジャンルで本を買って読んでいるが、そういう棚から手に取って本を買ったことなど一度もない。

さて用事が済んだ後に、今度は梅田の北ヤードへ立ち寄った(何度も言うが、僕は「うめきた」なんていう似非大阪人っぽくてダサい名前では呼んでいない。ついでに言っておくが、大阪で育った人間の大半は「でんがな」「まんがな」とか言うわけない)。グランフロントの伊東屋で ZEQUENZ が新しいノートを出していたので、薄くて安い350円のノートを色違いで(どれも緑系統だが)3冊だけ買ってきた。トッド方眼しかないのがイマイチなのだが(僕はドット方眼は評価してない)、見本を手に取った時の表紙のマットな感触が絶妙だった。DAYCRAFT のノートを手にしたときの感触よりも良かったので、もし 7mm 罫線などのノートが出たら、標準的な ZEQUENZ のノートよりも少し高くても買うと思う。あとはグランフロントの中にある紀伊國屋書店へも立ち寄ってきたのだが、長新太さんの作品を集めた小さな本が面白かったので、もう一度だけ見たいと思ったら、この店には絵本がたくさんあっても児童文学の本がまるでなかった。そして、いま MD の記事として書き溜めているマックス・ブルッフのスコアも探してみたが、なかったなぁ。いまいちだなぁ。

あと、店頭で『KPI大全』という新刊が面白そうだったので手に取ってみたら、どう考えても企業の部長級なら知ってるような指標ばかりで、これではネットで検索しても同じ程度の指標や解説は簡単に集められる。ついでに、よく経営の話でも出てくる「フレームワーク」のまともな本を探しているのだけれど、なんだか新卒が手にするような簡単というか雑な説明の図解っぽい本ばかりが並んでいて、およそ学術研究者がまともに取り上げたという事例が(少なくとも書籍としては)見つからない。そして、これはアマゾンで洋書を調べても結果は同じようなものだった。個々のテーマ、例えば SWOT 分析とか、マーケティングの 4P/3C なら、個別の本は見つかるのだが、それでも学術研究者が熱心にそれらの概念や分析モデルそのものを分析したり検証したという事例が見当たらない。

もちろん、これも企業の部長級なら誰でも知ってるように、こういう「フレームワーク」の大半は、大企業で神輿に乗って売り上げを出したというだけの人々が退職した後に適当な通俗本で持ち出す《抽象的な結果論》だったり、自分自身の経験の正確な分析ですらない願望を理想として描いただけの代物だったりする。よって、何かのヒントになるかもしれないと思って暇潰しに「フレームワーク」の本を手に取る人は多いものの、たいていは信頼などしていない。よって、こういうものは殆ど社内の出来レース、つまり新卒が「フレームワーク」を使った幼い分析をしてみせた後に、老獪で経験豊かな部長が出てきて「現実はそんな甘い理屈で動いているわけではないよ、諸君」などと言って見せるための芝居道具になり果てている感すらある。それゆえ、たとえば入山章栄さんのような経営学の体系的な入門書を手掛けている人物でも、まったく取り上げようとしないのであろう(彼の『世界標準の経理理論』という大部の著作では、コラムの中でフレームワークを取り上げない理由が書かれている)。

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