Scribble at 2026-07-13 11:00:35 Last modified: unmodified

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BunがZigからRustに全面移行したことについて、Zigの作者であるアンドリュー・ケリー氏も自身のブログで見解を公開しました。ケリー氏によると、Bunのコードベースに見られるプログラミング手法はハックの上にハックが重なり、その場しのぎのアサーションを乱用し、何よりも振り返りやバグ修正、技術的負債の解消にほとんど時間をかけずに、次から次へと機能を無謀に急いで追加しており、Zigチームは恐怖を感じていたそうです。そのため、ケリー氏はAnthropicによるBunの買収時には「安心した」と述べ、Rustへの書き換えが発表された際には「大喜びした」としています。

AI「Claude」を使って開発ツールの「Bun」の53万行のZigコード全てをRustへ書き換え、Zig作者もブログで反応

話題としては、既に Hacker News で知っていたのだけれど、かなり微妙な話なので取り上げるまでもないと思った。Bun という JavaScript の運用ツールは面白いものだし、一つのプログラムで色々な機能を実現する、Swiss Army Knife(trademark らしい)のようなツールは多くの人が愛好するものだ。Emacs だって、そういうものの一つだと考えていいだろう。確かに、リーナス vs. タネンバウムの OS アーキテクチャ論争の頃からこのかた、モノリシックな構造とモジュラー構造との対比があり、理論としてはモジュラー構造の方が優れたアーキテクチャであるというのが常識なのだが、しかしツールの規模にもよるのは確かだ。なので、いまでも小規模なプロジェクトとしてはモノリシックなソフトウェア・アーキテクチャで設計し実装するという場合も多い。

しかし、多機能さを優先するあまりに一つのプログラムの内部構造が複雑になると、それはそれで色々な問題が生じる。上で、Zig の処理系開発者(考案者)であるアンドリューが述べているように、コードやルーチンの仕組みが相当に複雑なものとなっていたらしく、処理系の開発者が Zig を使わなくなってくれて喜んだなどと言うのは異例のことだと思う。そこまで Zig の(ベストではなくとも)プラクティスとしては扱われてほしくない事例だったということだ。また、Bun の開発側の発表は Bun が Anthropic に買収された後のことなので、コードの書き換えに Claude を利用したというキャンペーンなりプロモーションの一つとして、眉に唾をつける必要まではないと思うが、やはり距離をとって眺めた方がいい話だとも言える。

こういうわけで、このところ Rust の採用例が増えてきているのは事実だし、Rust は興味のある言語でもあるが、どうも「どれくらい有名なプロジェクトが採用するか」ということだけで是非を判断するのは、ちょっとやめた方がいいような気がしている。特に、それが既存の巨大企業や上場前後の企業がかかわるプロジェクトだと、どうしても株主対策のブラフやパフォーマンスという見方を考えなくてはいけないので、必ずしも Rust で開発したり運用しなくてもいいような事案である可能性だってある。

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