Scribble at 2024-09-06 13:15:00 Last modified: 2024-09-06 13:39:07

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法隆寺の五重塔を知ってる人は分かると思うが、本物は最も下層が他とは異なる形状をしていて、上のイラストは法隆寺の五重塔でもなんでもない。また塔の立地状況も異なる。

引き続き、会社でリリースする予定の「生成AIガイドライン」を制作しているのだが、僕の個人的な活用方法としては、せいぜい研修用のビデオでスライドに使うイラストの生成や、何かの文章の一般的な下書き(冠婚葬祭の文面や時候の挨拶など)、あるいは辞書的な使い方が限度であり、学術研究に使えるレベルではないと思っている。

そもそも仕組みを理解している人間としては、たかだかオンラインのコンテンツを「食べた」だけの家畜みたいなものがユニコーンを生んだりするわけがないと分かってるんだから、最初からそんなに過剰な期待はしていない。統計力学を応用したランダムな要素を加味した、いわば厳密さや正確さを考えてなくてもいいような用途だからこそ(イラストの生成など)使えるわけであって、イラストの生成にしたって正確な法隆寺の五重塔なんて描かせても上の挿絵のように失笑を買うだけだ。

生成 AI は、どう考えても正確な仕事などできない。どうして時候の挨拶や辞書的な返答ができるのかと言えば、それはつまり我々ヒトの挨拶や返答が雑で曖昧で不正確だからにすぎないのである。AI はどこまで行こうとわれわれ自身の知性や民度という限界でしか活用できないのであって、そこを超えるなどというシンギュラリティは、科学哲学者としてコミットしてもいいが、そんなものは原理的な情報科学や機械学習の議論としても達成できない(つまり、プレプリント・サーバに「シンギュラリティ」を達成したと主張するような論文が出てきても、それは中二病の大学院生の紙くずか、研究費を助成してほしい詐欺師の企画書だ)と言える。

ただし、そうは言っても、現状で利用できるクォリティですら仕事や生活の一部を十分に支えるだけの結果が出せるということも事実だ。実際に、それゆえ僕は会社の研修でスライドの挿絵や背景画として生成 AI のイラストや写実的な画像を使っているし、自分では読めないイタリア語やロシア語のウェブ・ページの内容を概略だけでも翻訳させたりしている。

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