Scribble at 2023-03-13 16:31:44 Last modified: 2023-03-14 19:00:09

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ソヴェト連邦時代の straight razor を Etsy で注文した。ウクライナから 3/5 に荷物が出て、さきほど Etsy の追跡システムでは神奈川に到着したらしいから、一週間ほどかかったことになる。もちろん戦時下の国から荷物が到着するだけでもありがたいことだ。個人輸入ではどういう商品についても言えることだが、途中で荷物が紛失しても仕方ないという程度に思っておく方がいい。稀なケースだが、この日本ですら郵便局や宅配業者の配達スタッフが荷物を途中で川に投げ捨てたり自宅に貯め込むようなケースがないわけではない。

到着したら改めてご紹介するが、ソヴェト連邦の時代に製造された剃刀であり、その製造の状況とか経緯についても調べたいことがたくさんあって、結局はロシア語を少しでも勉強しないといけないと感じている。(左翼だった)高校時代に少しは勉強して「ヴィ・チターリ?」(これ読んだ?)などと言っていたものだが、もうすっかり最初からやりなおしである。また、それだけではなく製造物についての歴史を知る必要があるため、産業史のような知識もほしい。

しかし、実はソヴェト連邦の歴史というのは世界史の雑な教科書に書かれた事項ばかりが普及していて、なかなか詳しい通史、ましてやソヴェト連邦時代の産業史についての本なんてほぼない。通史については、アマゾンで検索すればお分かりのように、ちくま新書から1冊、そして講談社学術文庫から1冊という具合で、実際のところは貧弱である(後者は、さきほどジュンク堂でざっと眺めてみたが、モロトフという人物の経歴を中心に見た政治抗争史にすぎず、とてもソヴェト連邦の標準的な通史として紹介するようなものではない。同じ著者によって河出書房新社の「ふくろうの本」というシリーズから出ている『ソ連史』の方がまだいい)。岩波ですら、あまり手ごろな通史を出している様子はないのだが、昔は出していたのかもしれない(そして絶版になったのかもしれない)。だいたい70代以上の世代で左翼青年だった人たちは、どういう媒体でも、やれボルシェヴィキがどうとか言ったりする。でも、ソヴェト連邦の情報がそもそも開示されていなかった時代に、それほど正確な知識を一般人がもっていたとは思えないわけなので、まぁ年配者のソヴェト連邦に関する書き物というのは、1990年代より前に出版されたものならなおさら、眉に唾をつけて読むべきであろう。

Jasmin Dall’Agnola, Allyson Edwards, and Marnie Howlett, Researching in the Former Soviet Union: Stories from the Field (Routledge, 2022) などという本があるように、旧ソ連で働いていた研究者などですら実態を知ることにはリスクがあったわけで、日本の研究者が後からどれほど家探しするように資料を漁っても限界はある。

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