Scribble at 2022-09-19 09:57:27 Last modified: unmodified

このところ、幸か不幸か「先生」をお見掛けする機会が少ない。もともと我が家には少ないのだが、これまでは毎年7月の後半から9月にかけて、1度や2度は先生がキッチンの壁をすへすへすへと慎重に歩いているお姿を目にしては、スリッパで叩き潰したり、瞬間なんとかという触れ込みの殺虫剤で射止めるというのが年中行事だったように思う。けれど、ここ数年は元気なご様子を目にする機会が少なくなった。

うちは、窓を閉め切っているわけでもない。カビを防ぐために風呂場も窓を開けているし、キッチンも家具の裏に空気の流れをつくるために窓を開けている。なので、入ってこようと思えばいくらでも入ってこれる。また、家の中には昔から売っているホウ酸団子しか置いていない。コンバットだの何のと仰々しい名前の商品なんて、殆ど使ってみたことすらないのだ。ここ最近の耐性がついたとされる、かなりお強い先生であれば好き勝手に出入りもできよう。それでも、ここ最近はお姿どころか死体すら目にしなくなった。今年は一度だけ、連れ合いが風呂場で溺死されているのを見つけたようだ。

減っているという話も聞かないし、活動範囲が変わったという事実もないはずだ。それでも、以前であれば寝室で横になっていると 30cm ほど離れた目の前を悠然と歩くお姿を眺めて感心し、そして数秒後には叩き潰すという風情ある暮らしが続いていたのだけれど、もうそんな風物詩と言うべき先生らとの暮らしの様子も、どこかへ過ぎ去ってしまったのだろうか。

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