Scribble at 2023-01-27 20:01:22 Last modified: 2023-01-29 11:50:40

いま NHK で高専の番組をやっているのを音だけ聴いているのだけれど、かなり怪しい話をしている。僕が思うに、高専というのはドイツのギムナジウムのようなもので、専門的な技能に関わる基礎的な数学や工学を教えたりするわけだが、結局はブルーカラーの養成所である。高専を卒業しても Ivy League 出身の博士号ホルダーが起業するアメリカや中国のベンチャーの経営者とは、基本的な素養においてかけ離れている。簡単に言えば、欧米や中国の IT 企業の経営者に匹敵するのは、アホな文科省が期待している高専なんかじゃなくて、先端大学院大学の博士号取得者なのである。

そもそも、日本のウィキペディアにしてからギムナジウムの説明において、「日米の『単線型』教育制度に対する、主に中央ヨーロッパの『複線型』教育制度のいわば根幹を成す存在ともされる」などと嘘を書いている。でも、高専は全日制の高等学校とは別のルートで中学を卒業した生徒に専門教育を授ける機関なのであるから、これはどう考えても「複線型」の教育制度であろう。他にも、商業高校とか工業高校とか、義務教育を終えた若者が進む経路は幾つもある。こんな基本的な事実も知らないとは、まるで原始人の喚く「日本は単一民族」みたいな妄言と同じではないか。

とにかく学校教員やマスコミ関係者にしても日本は明らかに就業者の学歴が低いし、訓練されている学問的な素養が低すぎる。これだけ教育費にお金をかけているにもかかわらず(教育費と言うよりも「受験勉強代」と言うべきだろう)、平均しても慶応だ早稲田だ一橋だとクズみたいな四年制大学を出てる凡人ばかりが金太郎あめのように続々と増えてゆき、まともなレベルの学術研究の訓練を受けた人材がぜんぜん増えないわけである(大学院を出るのは、何も学問をしろということではなく、知識や技術を自らの力で押し進める素養を身に着けるという意味もある。学卒みたいな小便垂れにそんな力はない)。それゆえ、申し訳ないが高専ていどを卒業しただけの人材が起業する IT 企業が増えたら欧米や中国に対抗できるかのような妄想が生まれる。冷静な話、高専は既に20年前にもあったし、通信工学やソフトウェア開発も一部では教えてただろ? なのに、高専出身者で会社を上場させたり、僕らでも知ってるようなソフトウェアやサービスで巨大な事業評価を達成した人物が一人でもいたのかね。

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