Scribble at 2026-01-09 12:29:10 Last modified: 2026-01-09 12:32:08

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Total monthly number of StackOverflow questions over time (data.stackexchange.com)

StackOverflow については、既に何度か書いているけれど、こうなるべくしてなったという印象が強い。そもそも、このサイトがファウンダーであったアトウッドによって世に現れたとき、もう覚えている人は少ないと思うが、そして OpenID の話であるから崎村さんとっては不愉快な話をした記憶もあるのだが、ユーザ登録に OpenID が必須だったことを僕は自分のサイトで非難した(当サイトだったか、あるいは過去に運営していた Architectures.jp というサイトだったかは覚えていない)。その時から、僕は StackOverflow というサイトをエンジニアとしては、あまり高く評価してこなかったわけである。もちろん、サイトの認証システムとコンテンツは別であって、コンテンツは独立に評価するべきなので、アクセスはしていた。本家だけではなく、その後に続々と公開されるようになった数学専用サイトやサーバ管理者専用サイトなども利用して、一定の恩恵は受けている。

ただ、Hacker News のコメントでは2016年頃から管理手法の不備や reputation が原因で衰退し始めたと言われているが、当サイトで批評したことがあるように(これは当サイトで書いたという記憶がある)、SNS や CGM サイトにおける reputation というのは、基本的にセレブや暇人や大企業が更にパブリシティを獲得する増幅装置やエコー・チェインバーにすぎず、無も知らぬ一般人が理由もなく注目されるような「アンディ・ウォーホル装置」ではない。StackOverflow も同じであって、回答を書く知識やスキルは必要だが、そもそもそれを丁寧かつ詳細な "good answer" として書く暇がある人間だけが reputation を獲得し、そして reputation を獲得した者の回答が信頼されて読まれ評価されるという増幅装置である。同じことは現実のエンジニアの働き方についても当てはまり、たとえば大企業や IT ゼネコンで昼寝しながら年収2,000万円をもらっているような連中が、オライリーの本を翻訳したり、技術評論社から単著を出して、更に有名になって高額の待遇で転職したり政府の何とか委員になっていくわけであって、本当に忙しく業務に従事している人々とは関係のない話になっている。彼らは、言い訳あるいは自己正当化として、常にトリクル・ダウンを持ち出すが、実際には彼らの回答や本を読んだところで大半のエンジニアは優れたコードを書けるようになるわけではないし、給料が上がるわけでもない。

もちろん、LLMs の回答は StackOverflow のコンテンツも学習したうえで生成されているであろうから、LLMs にどんどん移行すればよいとか、上のような記事を見てメシウマだと言いたいわけではない。しかし、人が関係している歪みは、やはり人によって忌避されるものだ。それが選択の余地がない状況ではともかく、ひとたび選択の余地が生まれ、しかも簡単に選べるのであればなおさら、もう後戻りはできないだろう。

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