Scribble at 2024-05-15 08:28:40 Last modified: 2024-05-15 11:03:45
蔵書を整理・処分するにあたって、僕のような状況の者に限って最も切実かつ深刻なのは、たぶん洋書の分別であろう。先日の落書きで少し触れたように、できればスキャンしてもらった方がいいような気はしているが、僕の蔵書を処分するとなると相当な金額になる。もとより、お金を得ることが目的でやっているわけではないから、寧ろ蔵書を整理できるなら出費も厭わないが、やはり出費となると限度はある。
もし洋書で、スキャンしてもらうのであろうと古本屋へ手放すのであろうと何らかの処分をするのであれば、もちろんテーマやジャンルで仕分けするのが妥当だろう。そして、そういう前提であれば、おそらく真っ先に候補となるのがビジネス書である。これまで、翻訳あるいは日本人の著者が書いたビジネス書を、サラリーマンとしてはそれなりの分量で読んできたわけだが、それに加えて無名の経営者や三流のコンサルが書いた回顧録だとか雑な経営指南書の類も、アマゾンで数百円で手に入れて眺めるという、或る意味では奇妙というか、ほぼ英語の教材として読んでるだけではないかという読書もしている。そういう本は、当たり前だがジョン・マクスウェルの本などと比べて座右に置くようなものでもない。読み飛ばして売り払っても良いのだが、しかし箱庭趣味というか、凡人が健気に経営コンサルだのコーチングだのと、アメリカの田舎でセコいことやってる姿を眺めるのも一興というものだ。われわれ哲学者は神ではない。僕らもまた、同じく有限で凡庸な人間として、そういう人々からも何かしら(「一字の師」という言葉もある)学ぶべきことがあろう。
その他、個人の memoir だとか歴史的な出来事のディテールだとか、スキャンして残すことが前提で処分できるテーマはいくらでもある。正直、物理的な書籍というものとして、手触りや重量感も含めて書物に何か必要以上の思い入れだとかセンチメンタルなものを抱いている作品だとか著書というのは、それほど多くないから、金銭的な余裕さえあれば全てスキャンしても構わないのだが。