Scribble at 2022-07-26 11:19:57 Last modified: unmodified

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A beautiful quarterly publication which revisits the events of the last three months to offer in-depth, independent journalism in an increasingly frantic world. Read more about DG.

Delayed Gratification

既に Wikipedia にしてから、"journalism" という言葉を "Journalism is the production and distribution of reports on the interaction of events, facts, ideas, and people that are the "news of the day" and that informs society to at least some degree." と説明していて、ここでの "the day" とは「毎日(当日)」という速報性を意味しているのだろう。もちろん、速報性は報道の本質であるとは限らない(本質だと信ずる人もいるとは思うが)。正しかろうと間違っていようと、すぐに伝えることの方が重要だというなら、最も発達したジャーナリズムの姿とは、要するに世界中の至る所に監視カメラやセンサーを取り付けることで達成されるであろう。あらゆるところで起きている出来事を、そのままどこの人でも知りうるのだから、これに勝る速報性はあるまい。しかし、皮肉なことに報道のユーザである我々は、世界中の無数にある監視カメラの映像を四六時中に渡って眺めているわけにはいかない。そして、クレムリンや NORAD、いやそこまでいかなくても大阪城公園の公衆トイレに、誰でも映像を眺めて中の様子をうかがえる監視カメラが設置される未来が訪れるとは、とても思えない。ということなので、速報性とは言っても限度があるし、「何を」報じるかについてジャーナリストが取捨選択していることの方が重要なのだ。

そこで、ここで紹介するようなアプローチも一つの参考になる。もっとも、時間をかけたからといって正確な報道ができる保証はないし、正しい報道ができるとも限らない。産経新聞の記者が20年の歳月をかけて調べたり考えたり議論しようと、「靖国神社は廃止した方がいい」なんて結論は(それが正しいのであれ間違いであれ)絶対に出てこない。時間をかけるということへ闇雲に拘るのも、一つの妄想というものである。それゆえ、速報性だけを頼りにしている報道の何が不足しているかという点を補うために時間をかけることが無難であり、そういう無難さが実現されているという意味では、利用する価値もあると思う。

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