Scribble at 2022-07-12 07:12:55 Last modified: 2022-07-12 07:26:04

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とはいえ、日本の子どもは他国よりもネット利用に伴ういじめや個人情報不正利用などの発生率が低い。これ自体は喜ぶべきことだが、調査結果ではパソコンやタブレット利用率の低さが結果的に発生率の低さにつながったと見ており、デバイス利用の立ち遅れが指摘されている。これはオンラインでのリスク経験に乏しいと言い換えることも可能だ。

日本の子どものネットリスク発生率が低い理由は「デバイス利用後進国だから」

君たちみたいな小手先テクニックだけの守銭奴にはわからんだろうけど、たぶん親になればそういう考えは変わると思うよ。企業の情報セキュリティ施策を預かる者として、あるいは一人の大人としても言うが、軽々しく「リスク経験」が必要だなどと、たかがマーケティング目的で言うものではないよ。そのリスクの顕現が生じた初回のチャンスで子供は自殺したり、あるいはお前さんらの本国であり犯罪の先進国でもあるアメリカでは小学生が同級生を「自由」の名において学校へ持ち込んだナイフや拳銃で殺害したりするわけだよ。もちろん、いまや元総理大臣が右翼やヤクザどころか一般人に自作の銃で撃ち殺されるような国の人間が言っても説得力はないかもしれないが、毎日のように警察官が黒人を撃ち殺したりウェブサイトが侵入されている国のセキュリティ会社なんぞに、リスクとはなんであるかを教えられる筋合いなどないね。

もちろん、「ゼロ・リスク」が的外れであり、寧ろ個人や組織の活動なり方針を間違った方向へ導く可能性があるのは分かる。しかし、たかが統計で数パーセントの差があるかないかを大袈裟に public affairs であるかのごとく論じるのは、きみたちのように社会科学や統計学の学位もなければ社会政策を実行した業績もない者の議論としては傲慢であり傲岸不遜というものだ。このページに出ている統計が仮に「事実」だとしても、彼らの議論とは逆に、「ネットやモバイル機器を利用しなければ、サイバー・リスクは減る」という結論も出てくるからである。よって、その事実を「もっとモバイル製品を買いましょう、そして元社長が殺人容疑で逮捕されたり自殺した会社のセキュリティ・ソフトを使いましょう」というセールスに〈落とし込む〉必要があるかどうかを決めるのは、科学や論理の問題ではなく、はっきり言って大人としての見識の問題だと思うね。

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