Scribble at 2024-05-16 18:31:23 Last modified: 2024-05-16 19:16:44
これは、某静岡の1,000億円企業の社内で回覧されている社内規程のようなものらしい。これに比べて、弊社は10億円にも満たない売上の中小企業だが、もちろん弊社にも社内規程はある。そして、僕自身がその社内規程(主に情報セキュリティと個人情報保護関連)を起案している当事者の一人でもある。社内規程の起案に携わる一人として僕が心がけていることは、もちろん既存の法令や規範に反する規程を作らないことだ。これは基本であり原則であり、そもそも法令を守るということなのだから、日本の国民としての義務ですらある。よって、会社の中だけで通用する馬鹿げたルールを作って得々としているような連中は、中小企業診断士の資格を持っていたり司法試験や FP の試験に合格した経緯をもつ法務や人事の人間であろうと、社外も含めたマルチ・ステークホルダの観点からは許し難い。社内で秘匿された環境だけで通用する違法なルールを作って会社の蔭の支配者ヅラしてるような者は、人間のクズであると言わせてもらう。
上記のなんちゃって社内規程を見ても、1,000億円の売上を誇るような大企業の法務や人事であろうと、いかにクズが会社の管理業務に携わると会社が腐っていくかという実例になっている。僕はもちろん人類史的なスケールの保守を自任する人間であって左翼でもリベラルでもないので、労働者の権利だとか福祉というものに過剰な価値を置いてはいないが、法定休日や有給休暇を「ボーナス」であるなどと言っているバカは会社のバックオフィス(管理部門)にいてもらいたいくない。休暇は働く者すべてに保証されている権利である。
この手の勝手なルールを社内で共有している会社というのは、早い話が社員に有給休暇をとって欲しくないわけだが、いまや有給休暇なんて年間で5日以上は休めるように促すのが法律にもなっている。そもそも、社員が休暇を取ったとして、それでいったい御社の売上がどれほど変わるのか、果たして真剣に考えたり調べたことがあるんだろうかという気がする。会社の部長として言わせてもらうが、社員が有給休暇で休んだていどのことで売上や業務効率に重大な影響が出るとすれば、まさに彼らバックオフィスや各部門のマネージャの人員配置や業務フローの設計が素人レベルだからなのだ。つまりは、無能な連中が自らの保身のために社内規程を都合よく法令からかけ離れて策定したり運用するというのは、僕に言わせれば「事実上の背任行為」(無能である自らの利益つまり保身のために会社のルールを歪曲し悪用している)を疑ってもいいレベルの無能や悪意なのである。
なお、休暇の理由についても、事前に上長や同僚などと調整するときに事情を説明する必要があるかもしれないが、これも原則としては理由を説明する法的な義務はない。仮に休む事情を本人が説明したとしても、その事情の当否や重要性を他人がどうこう言える権利はないからである。たとえば、推しのコンサートへ行くとか、最新のドラクエを買うために徹夜で並ぶとか、結婚記念日で旅行するとか、飼っていたセキセイインコの三回忌だとか、そうした事情を会社の業務よりも重要だと考える人がいたとして、それを疑問視する権利はない。はっきり言わせてもらうが、仕事なんてやらずに暮らせるならそれに越したことはないという人が大半なのであって、デザイナーは仕事じゃなくて自分で好きなように絵を描いたり動画を制作していたいという人が実は殆どだろう。あるいは、営業で「人と出会うのが楽しい」なんて歯の浮くようなことを口走ってるやつに限って2年くらいで止めていくんだよ。サラリーマンなんざ、嘘つき集団だ。みんな実際には仕事なんかよりも自分の生活が優先に決まってるわけで、「社員は家族」だの「人を育てる」だのと錯覚を抱いているのは、そうでも考えなければ孤立して頭がおかしくなる経営者だけなのである。
ただし、上の内容が全て間違っているわけでもない。当日に勤務を休むといきなり言うのは、やはり迷惑なことであり、印象が悪くなるのはしょうがない。もちろん社員が休みをとることを拒否はできないわけだが、当日にいきなり休むというのは、業務に影響が出ると懲戒の理由になりえる。