Scribble at 2023-04-30 11:30:27 Last modified: 2023-05-01 10:33:48

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Amazon Japan で見かけた商品だけど、もう最近は AliExpress よりも胡散臭い商品が大量に出回ってるよな。シェービング・クリームは、なかば化粧品にも通じるようなところがあるため、品質や値段も色々あるわけだけど、僕は PRORASO のクリームや固形ソープを基準に眺めて比較している。安い業者だと、PRORASO から出てるチューブ・タイプのシェービング・クリームは2,000円ていどだ。中には、古いからなのか1,500円くらいで売ってる場合もある(これだと、為替レートから言ってイタリアの現地で買う定価くらいだ)。日本の正規販売代理店が2,500円以上の値段を付けているのは、一定の品質保証があるからだろう。実際、固形タイプのソープを購入した人のカスタマー・レビューで内容物が変質していたという事例もあったらしく、長期にわたって売れ残っている商品を出品したままの業者がいるのかもしれない。

化粧品のようなところがあるため、メーカーやブランドによって値段や品質は色々と変わる。だいたい固形タイプで150グラムくらいの内容物が容器に入って2,000円前後が標準的だと思っているけれど、メーカーによっては輸入していると称して5,000円くらいの値段をつけていたり、そもそも高品質であると謳いつつ更に高額な価格を設定している場合もある。

そして、化粧品と同じく「どこそこのアイテムを使っている」という自意識に訴えるようなところもあるため、実質は国内の事業者向けに販売されている業務用のソープと大差ない品質だったりするわけだが、いくらか香料を加えるだけで何倍もの値段にできたりするのが、ブランドというものの力(インチキとも言うが、要は社交というそれ自体がインチキな世界での有効性によって価値は決まる)なのだろう。それ自体は、別に非難するようなことでもない。哲学者だからといって、僕はそういう社交とか見栄とかを一概に侮蔑しようとも思わない。それで金だけは持ってる凡庸な連中が喜んで買い漁り、同じく凡庸な人々の飯の種になるのが、凡人の生活というものだろう。それは、生物学者がアリの社会を眺めることに等しい。アリがどれほど凡庸で愚かなことに精を出していようと、それを嘲笑うことなどできまい。

それから、シェービング・クリームやシェービング・ソープは色々な国の色々なメーカーや、Etsy などでは個人がハンドメイドでも販売しているわけだけど、メーカー品、たとえば Musgo Real とか PRORASO とか Antiga Barbearia de Bairro とか Tabac のものが欲しいという方で、一括してあるていどの量を購入できるなら(同じ商品を大量に買うと業者の輸入と見做されて関税で止められる可能性はある)、アメリカの有名な EC サイトで購入した方がいいと思う。日本で販売している代理店というのは、とにかくやたらと高い。Musgo Real のシェービング・ソープなんてアメリカだと $25 前後で売ってるわけだけど、日本では5,000円くらいする。いくら輸入だとは言っても、アメリカだって Musgo Real はポルトガルのメーカーだから輸入してるに決まってるのだ。それでこの値段で販売できているということは、日本の代理店が設定しているマージンは輸送費の実費に比例してるわけでもなんでもない。単純に、シェービング・ソープを殆ど水の化粧水か何かと同列に扱ったりプロモーションしていて、ブランドだか輸入物だと言えばイワシの頭でも売れると思っているのだ。そういう連中なんて、しょせんは客の肌やスキン・ケアなんて何も考えていない、ただのブローカーである。

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