Scribble at 2022-06-20 13:29:19 Last modified: 2022-06-20 13:34:20

添付画像

そろそろ After Effects にも慣れてき始めたところだ。そして、暫らく好き勝手に使っていると分かることなのだが、概してオンラインの解説動画とかチュートリアルの記事は、基本的な機能を軽視して小手先の些末なテクニックや出来合いの効果を使うことだけに偏向しており、初心者は言うまでもないが多くの人にとって不適切だと思う。YouTube などの動画も相当な数の実務家や自称講師が公開しているレクチャーを観たが、その大半は単なるテクニック自慢や Adobe 製品を軽く扱えるパソコン自慢だったり、取り込む映像データを収録する機材の自慢話でしかない。あるいは、After Effects の場合はオブジェクトを精確に動かそうとすると、初歩的な解析学とか線形代数の知識が有効であるため、そうした数学の理屈をまくしたてるだけの(最低でも学部レベルの数学を学んでいる人間からすれば下らない)インテリごっこも多い。

僕は After Effects については今月から真面目に使い始めた "newbie" と言っていい実務能力しかないけれど、Premiere Pro については(色々な事情があって)15年以上前から必要に応じて使っているくらいのキャリアがある。そういう者として言わせてもらえば、こういうソフトウェアは基本的な操作や基本的なプリセットの機能を十分に活用すれば、プロの映像作家とかテレビ局の編集者を志望するわけでもないなら、十分な品質の動画を制作できる。結局、動画の品質を分ける決定的なポイントは、収録しているコンテンツの内容だからだ。それを効果的に、無駄な虚飾をこれでもかと投入することなく的確に編集できれば、それで満足な品質の動画になる。背景を別の動画に置き換えて動かしてみたり、ロゴを回転させるといった技巧なんて、しょせん動画の評価においては枝葉の先端を動く昆虫が捻り出すウンコていどの意味しかない。

たとえば、ベースを決めた後にテキストのレイヤーを一つだけ作成してみる。タイムライン・ペインを見ると、そのプロパティとして透過率やスケールや位置などがあって、これらの基本的なプロパティをキーフレームで色々と変更すれば、いくらでも「プロ並み」のロゴの動きなんて作れてしまう。逆に言えば、YouTuber だプロだと名乗っていながら、これらの基本的なプロパティだけで十分に洗練されたロゴのアニメーションを作れないなんて、そういう連中はプリセットに登録してある(たいていは他人が配布してる)エフェクトを適当に使ってるだけの、実はアマチュアなのだ。After Effects のオペレータとしては色々とできる腕前はあるのかもしれないが、しょせん映像のデザイナーとしては三流である。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook