Scribble at 2025-10-09 14:58:25 Last modified: 2025-10-09 19:37:18
もう何年も前から、或る主要駅の駅ビルを中心とする繁華街区域を管轄する団体が運営するサイトの、なぜかクーポン制度を運用するコンテンツのサーバだけを管理するという、なんだか良くわからない仕事を続けている。ちなみに、そのサイトの下位ディレクトリにあるコンテンツだが、本体は AWS で運営されているのに、クーポンのコンテンツだけは「さくらの VPS」に僕が構築して運用している。もともとは本体も含めて別のホスティング・サービスを利用していたのだが、本体が AWS へ移設されたときに駅ビルのテナントに AWS でのコンテンツ運営にかかわる負担金を求めたらしく、したがって AWS への移設で更にコストがかかるのを嫌がったテナントが、クーポンの運用システムだけ別のサーバにしたいと要望したために、クーポンのシステムだけ別のサーバで運用しているというわけである。説明すら面倒臭いが、広告代理店案件では何度もお目にかかってきた面倒な事案の一つに過ぎない。
で、サーバを構築して運用している当事者であるから、このコンテンツに殆どアクセスがないことはわかっている。なにせ、本体のサイトからリンクされてもいないし、どこかで宣伝しているわけでもないのだから、あたりまえだ。トップ・ページのカルーセルにもバナーがないわ、それどころかクーポンが使える各店舗の詳細情報のページからもリンクされていない。いった、どうやってクーポンが使えることを見つけたら良いのか、殆ど誰も知らないだろう。恐らくだが、これは体のいいコンテンツの飼い殺しであり、利用されていないという状況証拠を作ってクーポンの制度を廃止しようという意図があるのではないか。それにしても、そんな意図があればどうして2年以上もかかっているのか。ひょっとして、万博が終わってインバウンド景気が低下したタイミングでも狙っているのだろうか。なんにしても、大して金にもならない案件であるため(僕のサーバ管理者としてのコストは、明示的には請求していない。例の「グロス」というやつだ。でも、グロスなら数千万のオーダーが当然で、いまやウェブの案件なんて数百万円のオーダーで「大型案件」と呼ばれるほどショボいものになっている)、そろそろどうにかしてもらいたいという気分がある。
だいたい、クーポン制度を本当に提供したいなら、駅ビルの中に QR コード付きのショッピング・ガイドやグルメ・ガイドみたいなフリー・ペーパーやフライヤーを置いて配布すればいい。クーポンを運用しているウェブサイトへアクセスしてもらう理由などないであろう。ウェブのコンテンツに来訪者をアクセスさせて、いったい何が嬉しいのか。僕らのように、広告・広報・宣伝の手法なんてウェブに限った話ではないと知っている、それなりに電通を株主とする会社の人間としてスタンダードな勉強をしてきた者から言えば、なんでもかんでもウェブだのソーシャルだのと言っているような人間は、たいてい単なるパソコンおたくであり、広告のことなどなんにもわかっていない。そういう連中を遥かに凌駕する技術力、経験、知識、デザイン・センス、そして企業人としての地位をもつ僕から言って、凡百のウェブ・デザイナーやディレクターには、広告の何たるかどころか、オンライン・マーケティングの何たるかすら、それを語る資格など露ほどもないわけである。こういう連中は、何かといえばソーシャル・メディアのインフルエンサーにステマさせてどうのとか、小泉の小倅レベルの思考しかしない。まったく、ウェブの業界というのは、他の分野で食いあぶれたか、他の分野で就職できなかった凡愚の掃き溜めと言われているのも、無理からぬことだと思う。
もちろんだが、われわれは凡人など比較の基準にしていないから、こういう連中の中で何程か地位や権威があろうと、そんなものがクズみたいなものだとわかっている。たとえば、同じような業界だと誤解されているが、「IT ベンチャー」の社員がもつスキルや知識は、平均すればネット・ベンチャーやウェブ制作業界の人間がもつスキルや知識と比べたら桁違いである。そのいちばんの理由は、IT ベンチャーに入社してくるのは、本当に技術や通信が好きな人々だからという点が大きい。かたや、ネット・ベンチャーやウェブ制作の業界は、技術というよりも営業力やアイデアだけで起業している場合が多く、実のところ社員の大半は通信や技術、あるいはコンピュータそのものにも、殆ど興味がないという(悪い意味での)サラリーマンである。もちろん、それだけウェブのサービスが普及したという証拠でもあるが、他方でそれらのサービス企業には他の業界と同じく、有能な人材がこぞって集まるなんてことはなくなっている。ウェブの制作会社ですら、専門学校や大学を出たデザイナー志望の若者が第一に目ざすところかと言えば、そうでもない。