Scribble at 2021-06-06 13:44:22 Last modified: 2021-06-06 13:46:53

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Learning to read can be hard for many, but learning to read and understand a second language, especially later in life, can be a very difficult and daunting task. The NIrV Holy Bible for ESL Readers is here to help. Using shorter sentences and avoiding figures of speech and words with multiple meanings, the New International Reader’s Version is ideal for those learning English. There are also several additional content features included to help anyone on their spiritual journey and exploration of the Bible.

Holy Bible: New International Reader's Version

これまで使ってきた英語版の聖書(写真の右、NIV Mass Market Edition, 1989)は、そろそろ文字が小さくてきつくなったので、もう少し大きなものを買うことにした。できれば日本語訳もほしいところだが、先日も書いたように、日本語訳は出版物としてはかなり高額商品なので、いまのところ YouVersion で読むだけとしている。

今回も、マードック率いる News Corp の子会社である Zondervan という出版社から出ている NIV の聖書を選んだ(趣味として KJV などを読む人がいてもいい。教会での採用は、現在でも圧倒的なシェアを誇っているからだ)。僕は別にイヴァンジェリストではないが、既に日本語訳で口語訳や新共同訳を読んでいるため、英語版では敢えて福音主義の立場で訳された聖書に目を通しておこうという、或る意味での〈バランス調整〉という意図がある。もっとも、僕がこのたび手に入れた NIrV は読みやすさを考慮して言葉を入れ替えたり構文を書き換えているのだから、厳格な福音主義の立場ではありえない「改悪」だろうとは思うが、〈翻訳〉についてよほど愚かな言語の理解(語や構文が特定の〈意味〉に一対一の対応関係を永久かつ本質的にもつといった、それこそ宗教まがいの言語観)をもっていない限り、日本の土俗信仰である言霊の観念に近い極端な原典主義は一貫性を維持できないと思う。なぜなら、〈翻訳〉している時点で必ずズレは生じるし、そもそも原語で読む人ですら当時の人々の意図を遺漏なく正確に理解することはできまい。(言語哲学の論点として言えば、その正確さの基準すら存在しないし、仮に何らかの認知的反応のパターンの一致といった条件として決められるとしても、比較対象である当時の人々の〈意味〉の反応パターンを復元することは既に不可能である。)

なお、アマゾンにもレビューを書いておいたのだが、Zondervan の公式サイトでは本文が8ポイントの二段組となっていて、文字の大きさは OALD の本文よりも大きくて問題ないのだが(1.5 の老眼である僕でも問題なく読める)、行間が狭いのは行を移るときに先頭がどの行なのか迷うことがあって困る。これを避けるには、目線を動かすこと自体が line-selection と同等の役割になるため、敢えて速く読むことが有効なのだけれど、まだ読み慣れていないうちは疲れるので、速く読めるためにも積極的に手にとることが望ましい。そのため、はっきり言って何の話なのかよく分からない経緯が延々と続く Old Testament よりも New Testament を先に読むのがいい。実際に信徒の多くも New Testament から読むことを勧められることが多い筈だ。信仰とは関係なく教養として読むとしても、なおさら多くの人々が接している仕方を踏襲するべきであって、気取って Old Testament から読んでも殆ど脈絡が理解できないままに無駄な時間を浪費するだけになる。

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