Scribble at 2020-06-25 00:21:22 Last modified: 2020-06-25 10:44:14

蒐集していた古雑誌の比較的新しいものに、倒壊寸前の木賃宿を一棟借り切って、設備もなにもなしで、純然たる手作業で歯ブラシを作る工場にした男の人が「現代を救うビジネスモデル、日本は、まだまだやれる」と紹介されていたが、情けないというよりも、どういえばいいのか、やるせない気持にさせられたものでした。

日本の衰退 1 低賃金と国家社会主義経済

わざわざ他人の文章を紹介する必要もないほど、社会科学のプロパーなら荒っぽいながらも知っているとおり、或る種の基準に従えば、日本は社会主義国である。

ただ、社会という実体がどこかにあるわけではない。皮肉として「会社社会主義」とか「官僚社会主義」などと言ったりもするが、結局は民衆の意見を代表すると称して一部の政治家や官僚や経営者が政策をなかば勝手に決めて実行している。今度の、持続化給付金の事務事業を800億円弱で受注した「サービスデザイン推進協議会」なる団体も、簡単に言えば竹中平蔵氏と電通がでっちあげたトンネル会社で、そもそも報道されていた当初から「電通が直に受注すると体裁が悪いから」などと平然と NHK の取材に返答していたというから呆れる。また、この竹中という人物はもともと実学志向と数々の強姦サークルで有名な二流大学の経済学教授をしていたのだが、オリンピック事業でも自分が役員を務めるパソナに受注を誘導したと言われているし、これまで「国家戦略特区」と呼ばれてきた地域の新しい法案である、通称「スーパーシティ法案」を作ってモデル事業を立てたのも竹中氏で、子飼いの何人かの会社にも金をバラまいている。かように、国民の付託も賛同もなんにも得ていない学者崩れが何百億という税金の使い道を国家の名において勝手に決めている。もちろん「社会」とか「世界」といった錯覚を、こうした人々は(もちろん、畏れ多くも「天皇制」というカラクリも使いながら)うまく利用してきた。

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