Scribble at 2020-10-19 16:09:17 Last modified: unmodified

…and Linux finally wins the desktop wars, not by displacing Windows but by co-opting it. Perhaps this is always how it had to be.

Last phase of the desktop wars?

ここがエリック・レイモンドのブログであるという証拠を全く持っていないのだが、とにかく報道を信用すると、この記事でエリックは上記のような・・・僕に言わせれば放言をぶち上げているらしい。

ジャロン・ラニアにしてもそうだが、元エンジニアの文明批評家みたいな人々の書くものを闇雲にありがたる風潮というのは、もちろんアメリカにもあるわけだが、そろそろ止めた方がいい。"The Art of UNIX Programming" という古典的な著作(とはいえ、オープン・ソース運動とサブカルの観点から称賛する人は多いが、コンピュータ・サイエンスとしての評価は特に聞いたことがない)を除けば、エリック・レイモンドと言われたところで、30代以下のエンジニアにしてみれば IT 用語の風変わりなオンライン辞書をメンテしてる人という印象しかないであろう。『伽藍とバザール』にしても、置いてる書店は大型店舗でも一部だ。むろん、大学のコンピュータ・サイエンスの学科で彼の本を参考図書や推薦書として学生に読ませる人など、もう殆どいまい。過去の実績はそれとして称賛するべきものだが、それ以降の成果については独立に評価するべきものであり、そしてその結果としては特に見るべきものがないという人が大半を占めている。ファンには気の毒だろうし、C shell のサイトを運営していた僕が言うのはおかしいかもしれないが、僕はビル・ジョイですらそういう人物の一人だと思う。

こういう人たちが根本的に誤解しているのは、マイクロソフトをはじめとする大多数の企業は、著作権制度を転覆するために事業をやっているわけでもなければ、人々の情報利用だとかコンピューティング環境のために事業をやっているわけでもないということだ。オープン・ソースにしても、マイクロソフトがコミットしているのは思想に共感しているからではないし、それが企業として選択するだけの経済的な効用があるからに他ならない。そして、別に多様性といった概念を過剰に尊重することなく、競争状態を維持することが必要だと認めている限り、すべての OS が Linux ベースになればいいという発想には抵抗を続けるだろうと思う。

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