Scribble at 2025-01-28 11:32:13 Last modified: 2025-01-28 11:51:48
なんか、もう笑ってしまうような画面だが、基本的な機械学習の理論を科学哲学者として学び、その基礎になっている離散数学も多少の心得はある人間に、こんなインチキ・コンサルのセミナー広告を、いったいどれだけ表示し続けるつもりなのだろう。こういうことにこそ AI を応用した方がいいんじゃないのかね。
それはそうと、このブログ記事にしても同じていどのお笑いと言えるようなことが書いてあって、そもそも機械学習というのはトレーニングのデータをベイズ的であろうとなかろうと帰納的に処理するアルゴリズムの理論なのであるから、ヒトの知性を目標にしている限り、人類の文化や文明や学問の成果を集約した、平たく言えば「人類の知というエコー・チェインバー」になることくらいは学部生でも知ってるわけだよ。これを、更に雑に家畜化などと表現し直しては鬼面人を驚かすようなことを書いて何になるのか。素人の目からウロコを落とすかのようなことをすれば、まさか啓蒙なんてだいそれたことでなくても、アクセス稼ぎくらいにはなるとでも思ってるんだろうかね。
このところ信夫くんは ChatGPT を初めとする生成 AI を解説するのに、岡野原大輔氏が岩波から出してる『生成AIのしくみ 〈流れ〉が画像・音声・動画をつくる』という本の「流れ」というキーワードに似た「文脈」という言葉を多用しているが、学部レベルの機械学習の知識があれば、こんなものはモデルを定式化するための意味論的な対応関数というテンソルで定義された複雑な距離(単純な直線のことではないが)のことであるとすぐに分かるだろう。