Scribble at 2023-06-09 13:31:07 Last modified: 2023-06-10 00:04:11
こういうことがあるので、ドメイン会社は「ドメイン・ロック」だの、色々な TLD のドメインを保有しろと勧めてくる。
はっきり言うと、こういうリスクを心配しないといけない企業というのは、個人が気楽にサイトを作って公開するのとは違って、ドメインを簡単に作ったり捨てるものではないと思うんだよね。僕らも広告代理店案件でキャンペーンごとに、しょーもないドメイン名を手軽に取得しては数カ月で捨てたりしてるわけだけど、こういうリスクがあるという理由から「よせばいいのに」と思うことも多いし、それ以外にも、そもそも自社の下にディレクトリを掘ればいいだけなのに、なんでわざわざ独自ドメインにする必要があるのか、よく分からんのだよね。
大昔から言ってることだけど、独自ドメインなんて単なる飾りです、偉い人には・・・という自意識の道具でしかないという割り切りが必要だ。他人にとってはどうでもいいものなので、それゆえ sony.com だろうと sony.xyz だろうとアクセスする。そんなもんはしょせん IP アドレスの別名でしかないのであって、別名を管理してる ICANN に「お布施」するための名目でしかない。IP アドレスでサーバにアクセスすること自体に問題がなければ(たとえば、いまどき DNS round robin なんて原始時代のテクノロジーを使ってるとか)、別にドメインなんて使わなくてもいいんだよ。
となると、残るは MX レコードでホスト名を使うしか殆ど通信の手立てがないメールだけが問題になるのだけれど、これも「メールなんて使わない」という方針で一貫していれば、実はネット企業であろうと殆ど問題はないのだ。インバウンドでは相手から電話番号なり、問い合わせフォームの URL なりを利用してもらえばいいわけで、問い合わせフォームから受けた内容は、従来のように社内へはメールで通知するのではなくチャットの API を使えばいいし、問い合わせした本人に「確認用」として同じ文面のメールを送信しないといけないという決まりは、実際のところない。個人情報保護法とも関係ないし、正直なところ問い合わせした本人に送る確認用のメールを本人がいちいち眺めたりはしないし、もし他人が本人になりすまして問い合わせフォームを使っている場合でも、本人に確認用のメールを送らないことで起きるトラブルがあるだろうか。本人が確認することで、勝手に誰かがその人のメール・アドレスを使ってフォームを送っていても、本人からそのつもりがないことを抗弁できるということだろう。だったら、メールを使わないという方針の会社であれば、問い合わせフォームにメール・アドレスの記入欄を設けなければいいだけだ。携帯の番号でも取得して、何かあれば電話すればいい。メールを使わないなら、相手に電話するという手間をかけるだけで解決するのではないだろうか。僕は電話嫌いなので、そんなことしたくもないが。