Scribble at 2020-07-27 12:49:05 Last modified: 2020-07-27 12:50:40

調べてみるとお分かりかと思うが、csh / tcsh はいろいろな人が「使うな」とか「問題が多い」と言っている。それにもかかわらず、いまだに幾つかのディストリビューションではディフォールトのシェルとして採用されているわけで、見た目には何が理由なのかわからない矛盾した状況となっている。しかし、恐らくこれは矛盾とは言えず、「問題が多い」と指摘している人々の多くがシェルで複雑なワンライナーを書こうとして書けないといった話をしていたり、かなりシェルに求める基準というハードルを高くして議論しているように感じる。これに対して、tcsh をディフォールトのシェルとしているディストリビューションでは、シェルの基本的な役割であるコマンドの単純な送信とレスポンスの受信に話を限定して、この挙動に重大な問題がなければいいという方針を採っているように思える。もちろん、この段階ですら挙動として信用できないようなプログラムが「シェル」を名乗っていられるわけがないのだから、逆に言えばその程度の基本的な挙動だけでも「シェル」として何十年も許容されてきているという事実の積み重ねが（いくら保守的な方針だとは言え）周りからの不平不満を撥ねつけているのではないか。そういう意味では、かつて互換シェルのユーザの一人が「なんだかんだ言ってもエクスプローラのデスクトップ環境は安定している」と評したのも理解できる。