Scribble at 2022-10-25 20:41:55 Last modified: 2022-10-25 22:22:36

大型書店でも言語学、日本語学、国文学、日本文学、古代日本史といった棚を丁寧に眺めているのだけれど、どうもよく事情の分からないことが一つある。それは、大学生がどうやって古文の文法を大学生のレベルで学ぶのかということだ。もちろん、高校の受験参考書で十分だというなら、小西甚一氏をはじめとする古典的な参考書がある。そして、それらの多くは筑摩書房から文庫本で何冊も復刊されているため、特に大学用のテキストとして誰かが新しく書くまでもないということなのかもしれない。しかし、そうした昔の参考書をいつまでも使っていて良いとは思えない。もちろん古典学や国文学にも研究の進展というものがあって、そうした昔の参考書には訂正したり改善できる余地が十分にあろうと言っても、それら古典的な参考書の著者らに失礼ではなかろう。寧ろ、大学生がかなり昔の書物を読むために、そこそこ昔の書物を読まされるようなことでは、本末転倒な気がする。

しかし、たとえばアマゾンで「大学生向けの古文の文法を扱った教科書」という条件に該当しそうなキーワードで本を探しても、たいていは大学受験の参考書が出てくるばかりで要領を得ない。かといって古文書の解読について書かれた本を開いても、これはこれで文法が殆ど解説されていない。ということは、大学に入った国文学専攻の学生は教員が用意した手作りのプリントなどで大学レベルの文法を学んでいるのだろうか。それとも、そもそも「大学レベルの文法」なんてものが最初からなくて、要は高校の受験参考書を更にみっちり復習するしかないということなのだろうか。

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