Scribble at 2022-05-16 10:09:10 Last modified: 2022-05-16 10:09:20

Pomodoro technique（ポモドーロ・テクニック）というのは、1980年代に考案された time management の一つであり、簡単に言えば処理するべきタスクを決めて25分だけ集中したら5分の休憩をとるという手順で、仕事や作業や家事や宿題などをこなしていくというものだ。一つ一つの作業に集中して取り組むという人なら、別にこんなのは人に教えてもらうほどのコツやアイデアでも何でもない筈だが、この手の話題は経営学や経営コンサルや経営関連の読み物ではお馴染みの「言ったもん勝ち」の世界なので、そういうパフォーマンスの是非は内容とたいてい関係がないため、そう目くじら立てるほどのことでもない。しょせん、こんなこと一つでロシアがウクライナから撤退したり、マイクロ・プラスチックが地球から消えてなくなるわけではないのだ。現代人はネットやパソコンで大掛かりな仕掛けをコントロールできるようになったおかげで、子供から大人まで安っぽい全能感に浸る性癖みたいなものを持ってしまっているが、確かに節度をもって他人のやることを信頼することは大切だが、しょせん人にできることなど大して多くはないという、文明や生物としての〈身の程を弁える〉ことも大切であろう。はっきり言うと、哲学とは人としての限界まで思弁を自由かつ厳密に行き渡らせると同時に、やはり限界があるという冷徹な事実も知るという、そういう知恵のことなのだ。