Scribble at 2023-01-25 18:40:15 Last modified: unmodified

調べ物をしていると、似たような言葉を使った全く違う意味の用語があったりして面白い。

たとえば "end effect" というのは、移動平均フィルタのような計算によって系列データを平滑化するときに、平滑化の window size と言われる平均を求める個数の設定によっては平滑化したい系列データの最終項目で変な結果が出てしまうことを指している。0で終わる筈の系列データについて、前後のデータとの平均などという計算方法を使ってしまうと0で終わらないといったことだ(平均をとるために最終値の後へ架空の値が平均値から無理に設定されたりする)。そして、これは先頭の値でも起きる可能性があるため、人によっては "edge effect" と言ったりする。

でも、"edge effect" で調べると、保全生態学の用語が出てくる。この場合は、或る生態区域の周縁部では外の環境との相互作用などによって区域の中心部分とは異なる状況が生じるという意味になる。島の周縁部は海と接するため、島の中心に比べて気温や湿度や出入りする動植物が異なるのは誰でも分かるだろう。

それから "border effect" という言葉もあって、これは経済学で言う「国境効果」のことだ。グローバル化によって国境がなくなったなどと言われたりするが、実際にはそんなことはない。国際取引・輸送と国内取引・輸送とでは慣習や法律や手段が異なるからではないかと言われているが、明確な結論はないため、「国境パズル」などとも言われたりする。

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