Scribble at 2021-01-02 14:17:05 Last modified: 2021-01-02 14:52:33

ジュンク堂、文教堂、それから紀伊國屋などの書店で購入する以外は、圧倒的にアマゾンで本を注文しているため、アマゾンへの支払いは au 決済に連携させてスマートフォンの料金と一緒に銀行口座から振り替えてもらっている。そのため、だいたい給料日には au の引き落とし銀行口座へ15,000円を無条件に振り込んでいて、逆に言うと、おおよそアマゾンへの支払いと au 料金との合計が15,000円を超えないようにアマゾンで注文している。au 料金が変動するとしたら 1 GB までの契約になっているデータ通信を超えて従量課金となった超過料金が出たときくらいだが、いまや自宅でも会社でも Wi-Fi で通信しているし、屋外でスマートフォンを使う用事があれば、更に会社から支給されているモバイル・ルータを持っているので、昨年からデータ通信は一ヶ月を通しても 100 MB ていどしか使っていない。なので、au 料金の方は通話料やネット利用料や SHV47 の本体代金の月賦と合わせて、約7,000円で変わらない。

そういうわけで、アマゾンではおおよそ一ヶ月に8,000円ていどの買い物ができるけれど、今年からは振り込む金額を15,000円で固定したまま、アマゾンでの買い物は5,000円ていどに抑えることにした。こうしておけば、口座に一定のお金が貯まっていくので、何か特に高いものを買うときの足しにできるという意味ではヘソクリの代わりにもなるし、限度額の近くまで買い物をするのは、企業における資産調達の実務としても愚かな話だ。仮に、その金がどこかの馬鹿な地方自治体から投入してもらった助成金のような泡銭だとしても、現実に使い切って報告書や領収書をそのまま出すなんてことはありえない。

とは言っても、本などを買う量が変わらなければ、他にある資金を使ってしまうだけであろう。よって、実店舗での買い物も限度額を設定しておかないといけない。いまだと、せいぜい実店舗での買い物も5,000円にして、アマゾンとの合計で10,000円ていどが良いだろう。

こういう保守的な方針にならざるを得ないのも、この数年が経過するあいだに書籍の値段が著しく高くなってきているからだ。これまでが安すぎたのかどうかは知らないし、インフレによるのかどうかも分からないが、勤め人として手取りの額面が大して増えていない(給与の額面は少しは増えているけれど、各種の税率の上がり方が上回っている)実情と比べたら、少なくとも文庫本ですら気軽に買えない値段になっているのは確かである。古典の翻訳ともなれば文庫でも2,000円前後は当たり前になってきているし、新書でも300ページすら超えないものが税込みで1,000円を超えるのが当たり前になっている。これでは、額面がどうのこうのと言う以前の生活をしている多くの若者が ebook[XXXX].com のような海賊サイトで大量の PDF をダウンロードしたり(敢えて一部は伏せておく)、オンラインの未熟なドキュメントだけで済ませて刹那的に情報を消費するだけの「自称エンジニア」という部品に成り果てることを望んだりする(果ては、そういう哀れな姿を演歌的に美化する人まで多くいる)のも無理はない。また、社会科学や人文でもオンラインで読んだものしか背景知識や経験のソースにならず、カントやヘーゲルの〈まとめサイト〉みたいなもので単純に物事を切り捨てたり断定する格好良さにあこがれるような人々が哲学科を志望するようになるのも、もともと哲学を志望するとは言っても学生の大半は凡人なのだし、社会科学的な水準の解釈で言えば仕方のないことでもあろう。

しかし、もともと我々は限られた資産で生活するのが当然なのだから、可処分所得が同じまま物価が上がっていくという想定可能な事態に何の対処もせずに「本が高い」と文句を言っているだけでは、恐らくもうすぐ姿を消そうとしているかつての社会党のようなものだ。現実に適用するだけで事足りるわけでなく、自立した基準や理想を持って現実を批評することも大切だが、結局のところ全ては〈脱構築〉なのである。これは何も高踏なフランス思想の話をしているわけではなく、現状や現状を支えている基準を内部から少しずつ変えていき、やがて別のところに別のものが構築されてしまう状況にまで持っていくしかないという話だ。いまある法律や制度や社会や会社や文化や生活を、SF的に〈リセット〉してしまう兵器や感染症や隕石や宇宙人や狂ったロボットの襲来などで一度で真っ更にぶっ壊して作り直すなんてことは、実際には誰にも為し得ないし、やってはいけないのである。

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